ハムストリングとは・・・
ハムストリング(はむすとりんぐ、hamstring)とは、大腿後面を形成する筋肉の総称である。大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋からなり、大腿前面を形成している大腿四頭筋と対になる筋群である。
役割
股関節の伸展と膝関節の屈曲を主に担う。また、走っているときに立ち止まる(ブレーキをかける)動作も担っている。
構造
大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋からなる。(図1)
図1ハムストリング
(1)大腿二頭筋(だいたいにとうきん)
大腿後面の外側にある大きな筋で、長頭と短頭からなる。
長頭は坐骨結節(寛骨下面)から起始し、腓骨頭に停止する。膝関節の屈曲だけでなく、股関節の伸展にも大きく寄与する。脛骨神経により支配を受ける。
短頭は大腿骨粗線外側唇から起始し、腓骨頭に停止する。膝関節の屈曲に作用するが、長頭と違い股関節の伸展には作用しない。総腓骨神経により支配を受ける。
(2)半腱様筋(はんけんようきん)
大腿後面の内側にある。
坐骨結節(寛骨下面)の内側面より起始し、脛骨粗面の内側に停止する。
名前の通り、遠位側(起始から遠い方)の半分は腱になっているため、筋腹(筋肉中央部)は近位側(起始に近い方)にある。
膝関節の屈曲と股関節の伸展だけでなく、膝関節の内旋と股関節の内転にも作用する。脛骨神経により支配を受ける。
(3)半膜様筋(はんまくようきん)
半腱様筋に覆われている。
坐骨結節(寛骨下面)より起始し、脛骨内側踝(くるぶし)に停止する。
運動作用に関しては、半腱様筋と同様である。膝関節屈曲をより円滑に行うための役割を大きく担っている。脛骨神経により支配を受ける。