最終更新日 2018/06/04

テニス肘

テニス肘とは・・・

テニス肘〈上腕骨外側上顆炎〉(てにすひじ、tennis elbow)とは、主に短橈側手根伸筋の起始部(外側上顆部)が、反復する外傷やストレスにより障害されて起こる炎症である。短橈側手根伸筋は手首を伸ばす筋肉である。

 

原因

40~50歳代の女性に多く、前腕伸筋腱の変性などで発症し、手首の背屈動作での疼痛が特徴的である。

 

症状

タオルを絞る、瓶のふたを開ける、ポットなどを持つなどの手首を背屈する動作などで疼痛が出現するのが特徴的である。テニスのバックハンドで肘外側部の運動時に痛みが出現することが多い。

 

検査・診断

MRIにて上腕骨外側上顆部の腱の変性、断裂を認める。

3種類の誘発テストが有用である。

1)chairテスト…被験者に肘を伸展したまま椅子を持ち上げさせると(前腕は回内)、外側上顆部に痛みが生じる。

2)Thomsenテスト…被験者の手関節を、肘を伸展させたまま握りこぶしを背屈させておき、検者が被験者の手関節を掌屈させようとすると、外側上顆部に痛みが生じる。

3)中指伸展テスト…被験者に肘と中指を伸展させておき、検者がこれを掌側に圧迫すると、外側上顆に痛みが生じる。

 

治療

安静、ストレッチ、スポーツ後のアイシング、外用薬、テニス肘サポーターなどさまざまな保存的治療がある。痛みが強い場合は副腎皮質ステロイド薬の局所注射を行うこともある。

 

スポーツ選手には理学療法が勧められる。

 

手術療法は、腱起始部や腱病巣部の切除など、さまざまな方法が報告されている。

執筆: 岩﨑 寛

神戸マリナーズ厚生会病院 救急科救急部長

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