腱鞘炎とは・・・
腱鞘炎(けんしょうえん、tenosynovitis)とは、骨と筋肉をつなぐ腱を束ねている腱鞘に炎症が生じ、腫脹や疼痛を来した状態である。指や手関節などに生じることが多い。
原因
はっきりとした原因は不明であるが、特定の関節を反復して使用し続けることで、その部位の腱鞘に炎症が生じることが多い。特に、手関節や指関節など、動かす頻度の高い関節に生じることが多い。頻繁にパソコンを使用する職業、ピアノの演奏者、筆記具をよく使用する作家といった職業とも関連することもある。
症状
手関節と指関節に生じることが多く、手関節であればドケルバン腱鞘炎〈狭窄性腱鞘炎〉(de Quervain tenosynovitis)、指関節であればばね指(trigger finger)と呼ばれることもある。
(1)ドケルバン腱鞘炎
手関節の橈側にあり、母指の動きに関連する腱を束ねている腱鞘に炎症が生じた状態。母指の外転や手関節の動きにより炎症部位に疼痛が生じる。
(2)ばね指
母指以外の指の掌側にあり、指の屈曲にかかわる腱を束ねている腱鞘に炎症が生じた状態。指の屈曲・伸展時に疼痛やひっかかりといった症状を引き起こす。
治療
テーピングや装具による固定などで安静にし、鎮痛薬の内服を併用する。それでも症状の改善に乏しければ、患部へのステロイドの注射や外科的に腱鞘を切開し、患部を開放することもある。