最終更新日 2018/05/15

抗CCP抗体

抗CCP抗体とは・・・

抗CCP抗体(こうしーしーぴーこうたい、anti cyclic citrullinated peptides antibodies)とは、関節リウマチに特異的な自己免疫抗体であり、抗環状シトルリン化ペプチド抗体の略語である。

 

関節リウマチでは滑膜に環状シトルリン化ペプチドが多く発現している。抗CCP抗体はこの物質に特異的に反応している。関節リウマチの診断に有用な検査であり、リウマトイド因子より感度・特異度ともに高いことが知られており、現在のリウマチ診断基準では抗CCP抗体はリウマトイド因子と同様に用いられている。最新の研究では、関節リウマチに対する抗CCP抗体の感度は67%・特異度は95%と報告されている。発症2年以内の関節リウマチに限ってみると、感度はリウマトイド因子と比較しても差は無い(58% vs 56%)が、特異度は抗CCP抗体で優意に高かった(95% vs 86%)としている。また、抗CCP抗体は関節リウマチの予後と関連していることが知られている。早期より抗CCP抗体陽性の患者は、関節破壊が進行するリスクが高い。

 

関節リウマチに対する特異度は高いが、その他の疾患でも陽性となり得る。関節リウマチ以外で抗CCP抗体が陽性となる疾患としては、その他のリウマチ性疾患・結核・慢性肺疾患などが知られている。

執筆: 井上 彰

明石医療センター 救急科医長

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