CD80/CD86とは・・・
CD80とCD86は、抗原提示細胞(APC)に発現する免疫チェックポイント分子であり、B7ファミリー分子(B7‐1、B7‐2)とも呼ばれる。T細胞の活性化において最も重要な共刺激分子である(CD80およびCD86とは、抗原特異的T細胞に補助刺激シグナルを送る主要分子であり、いずれもB7ファミリー分子としても分類され、それぞれB7.1分子、B7.2分子ともいわれる)。
役割
CD80はB細胞、CD86は単球や樹状細胞といった特異的な抗原提示細胞(antigen presenting cell;APC)上に発現し、T細胞上のCD28と結合する。CD80/CD86がCD28へ結合すると、CD28からのシグナルによってT細胞の増殖、サイトカインの産生、細胞の生存を促進するといったT細胞の活性化に作用する(アクセル作用)。一方で、活性化T細胞や制御性T細胞に発現するCTLA4(cytotoxic T-lymphocyte antigen 4)は、CD28よりも強くCD80/86と結合し、T細胞の活性化を制御する(ブレーキ作用)。抗CTLA4抗体(Ipilimumab)はCTL4によるT細胞の抑制を阻害すること(ブレーキを外すこと)によりCTLによる抗がん作用を増強する。