最終更新日 2018/03/06

防衛機制

防衛機制とは・・・

防衛機制(ぼうえいきせい、defense mechanism)とは、危険や困難に直面した場合、受け入れがたい苦痛・状況にさらされた場合に、それによる不安や体験を減弱させるために無意識に作用する心理的なメカニズムのことである。

 

通常は単独ではなく、複数の要因が関連して作用する。

 

抑圧

欲求不満や不安を無意識に抑え込んで忘れてしまおうとする。

 

合理化

最もらしい理屈や理由をつけて正当化しようとする。
例)仕事の失敗を、無理やり押し付けた上司のせいにする。

 

同一視

他人の長所や能力・実績をまねして自己評価を高めようとする。
例)有名人の服装や言動を真似る。

 

投影(投射)

自分の後ろめたい感情や衝動を他人のものとして非難する。
例)自分が嫌っているのに、相手が自分のことを嫌っていると思い込む。

 

反動形成

抑圧されている感情や態度が、正反対の行動として表れる。
例)相手に好意を抱いているのに、悟られないために素っ気ない態度をとる。

 

逃避

困難な状況から逃れようとする。状況から逃避する場を設ける。
例)試験前に大掃除をする(現実への逃避)。
  試験前に高熱や腹痛を訴える(病気への逃避)。
  試験前に将来の夢や試験後のことを想像する(空想への逃避)。

 

退行

幼児期など、現時点の発達の前段階に逆戻りする。
例)赤ん坊のようにふるまって他人の気を引こうとする。

 

代償

ほかの欲求に置き換えて満足しようとする。
例)勉強ができないからスポーツで活躍する。

 

昇華

社会的に承認されない欲求を文化的・社会的に望ましい価値あるものへ置き換える。
例)失恋を機に勉学に励む。

執筆: 小森大輝

順天堂大学大学院医学研究科 総合診療科学大学院生

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