V7とは・・・
V7(ぶいなな)とは、背部誘導心電図(V7、8、9)の誘導部位の一つである。背部誘導心電図は、後壁心筋梗塞を疑ったときに、標準12誘導心電図に追加される特殊な心電図である。
背部誘導心電図
実際に背部誘導心電図を行うには、V4の高さで左後腋窩線(V7)、V4の高さで左肩甲骨中線(V8)、V4の高さで脊椎左縁 (V9) にそれぞれ電極を装着する。具体的には、例えばV4-6の電極をそのまま背中に移動させ、残りの電極(四肢誘導およびV1~V3)はそのままにして心電図検査を行う。このとき背中に電極を装着する必要があるため、吸盤型の電極は使いにくい。
後壁心筋梗塞とは?
後壁心筋梗塞では標準12誘導心電図に加えて、背部誘導心電図を行うことが勧められている。
標準12誘導心電図では、後壁が左室の裏側にあるためST上昇は認めない。心電図に現れる所見はすべて鏡面変化を捉えている。
具体的には、後壁心筋梗塞の典型的な心電図変化としては、(1)V1-V3誘導でのST低下、(2)V1-V2誘導でのR波増高、(3)V1誘導でのT波増高-が挙げられるが、それぞれ、(1)後壁でのST上昇、(2)後壁での異常Q波、(3)後壁での冠性T波(陰性T波)の鏡面像である。
背面誘導(V7、V8、V9)を追加することで、後壁の心電図変化を捉えることが可能となり、これらの誘導でST上昇を認める。