最終更新日 2017/07/24

ペンローズ・ドレーン

ペンローズ・ドレーンとは・・・

ペンローズ・ドレーン(ぺんろーず・どれーん)とは、手術後など何らかの原因で、体内にたまった体液、血液、浸出液、膿などを体の外に排泄する管(ドレーン)である。

体内に挿入されるドレーンには、フィルム型・チューブ型・サンプ型・ブレイク型などに分類される。ペンローズ・ドレーンは、フィルム型に分類され、毛細管現象(※)を利用して、不要な浸出液などを体外に排泄させる。ペンローズ・ドレーンは、使いやすく用途も広いため、様々な診療科で使用される頻度が高い製品である。

※毛細管現象:繊維と繊維のすき間を重力や方向関係なく液体が浸透する現象。

 

目的

手術後に摘出した臓器や組織部分などの浸出液や血液などが貯留しやすい部位に挿入し、速やかに体外に排泄する。そのことによって、術後出血の観察が可能となり、また同時に貯留した液体への感染を予防する。

 

材質と特徴

ペンローズ・ドレーンは100%シリコンゴムで作られているため柔らかく、体内に挿入したペンローズ・ドレーンを抜去する際に、周囲の組織への傷害や痛みが少ない。血液や体液などが表面に付着しにくい特徴もある。また、薬剤などにより素材が変化することが少ないため、安全に使用することができる。

 

種類

ペンローズ・ドレーンは、製造販売している会社によっても違いはあるが、下記の4つのタイプがある。使用する場所や目的などによって、適切なものを選択して使用する。
・毛細管現象が働きやすいように内腔の溝が多いタイプ
・体液が流れる空筒があるタイプ
・シート状にしたフィルムタイプで、使用時に巻いて挿入するタイプ
・細い管が平にいくつも並んだタイプで、必要な分だけ切り離すタイプ

 

使用方法

ペンローズ・ドレーンは、清潔操作で取り扱いながら体内に挿入し、適切な長さにカットして使用する。
ペンローズ・ドレーンを固定する場合には、針糸を使用して皮膚に縫合固定し、さらに手術用テープなどで皮膚に固定する。それによって、ドレーンが自然に移動することを防ぐことができる。1回限りの使用であり、再使用はしない。
 

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