最終更新日 2019/10/24

カーンズ・セイヤー症候群

カーンズ・セイヤー症候群とは・・・

カーンズ・セイヤー症候群(かーんず・せいやーしょうこうぐん、Kearns-Sayre syndrome)とは、眼球運動麻痺や網膜の色素変性を伴う病気のことである。ミトコンドリアの変異によって体に障害が出るミトコンドリア病患者に特徴的な症状の1つである。症例が少なく、非常にまれな病気で10代に多い。遺伝性はない。

 

原因

細胞の活動エネルギーの供給に関わる(ATP産生)ミトコンドリアの変異によって引き起こされる。

 

症状

ミトコンドリア病のうち、慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO)の症状に加えて、網膜の変性と心臓の伝導障害を合併する場合を、カーンズ・セイヤー症候群と呼ぶ。まぶたが垂れ下がる眼瞼下垂(がんけんかすい)、外眼筋麻痺、網膜の色素沈着、軽度な視力障害、心房から心室への電気伝導が遮断される心伝導異常などが起こる。

 

治療

確立された治療法はないが、ビタミン剤、コエンザイムQ、L-アルギニン、ピルビン酸などが使用されている。

 

引用参考文献
1)ミトコンドリア病ハンドブック.独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院 遺伝カウンセリング室.
2)ミトコンドリア病(mitochondrial diseases).一般社団法人日本筋ジストロフィー協会.

執筆: 永澤成人

東京慈恵会医科大学医学部 看護学科老年看護学助教

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