外反母趾とは・・・
外反母趾(がいはんぼし、hallux valgus)とは、母趾が小趾側(身体の外側)に向かって曲がっている状態(外反している状態)のことである。
症状
外反母趾を発症すると母趾の付け根の関節であるMP関節(中足趾節関節)が小趾側に向かって曲がるため、MP関節と靴がこすれて痛みが生じる。また、症状が進行すると、MP関節に炎症が生じ、靴を履いていない状態でも痛みが生じるようになる。
原因
一番の原因は自らの足に合わない靴を履くことである。サイズが小さ過ぎる靴、先端が細くなっている靴を履くことは大きな原因だと考えられている。特にハイヒールのようにかかとが高くなっている靴も、つま先にかかる負担が大きくなり、外反母趾の原因となるとされている。
診断
健常人であっても、多少の母趾の外反は認めることがある。「外反母趾診療ガイドライン2014(改訂第2版)」では、X線写真による母趾の外反角度(HV角)が20度以上あれば外反母趾と診断している。同ガイドラインでは重症度を以下のように分類している。
・軽度:HV角が20度~30度
・中等度:HV角が30度~40度
・重度:HV角が40度以上
治療
治療としては保存的治療と外科的治療(手術療法)がある。靴の指導や母趾外転筋訓練などの運動療法、足底板などの装具療法といった保存的治療を行っても疼痛の改善が認められない場合、中足骨骨切り術などの外科的治療を行うことがある。