最終更新日 2019/09/30

ルイス・サムナー症候群

ルイス・サムナー症候群とは・・・

ルイス・サムナー症候群(るいす・さむなーしょうこうぐん、Lewis-Sumner syndrome)とは、原因不明の運動障害や感覚障害が生じる疾患である。慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチーとして難病指定されている。

 

原因

明確な原因はわかっていない。ただ、患者の大半に、末梢神経の構成成分に対抗する自己抗体(抗ガングリオシド抗体)が認められていることや、免疫グロブリン治療が有効に作用することからも、自己免疫異常に関連するものではないかと言われている。

 

症状

神経の絶縁体(髄鞘)の局所的な障害に伴い生じる神経の伝導ブロックが多巣性にみられる疾患である。具体的な症状としては、四肢の脱力、筋萎縮、筋肉のピクツキ(線維束攣縮)、筋けいれん、舌の半側萎縮などがある。多巣性運動ニューロパチーとの違いとして、多巣性運動ニューロパチーは全身かつ左右対称に症状を発するが、ルイス・サムナー症候群は局所的に発症する。

 

治療

明確な治療法は確立されていないが、自己免疫疾患の可能性が高いため、免疫グロブリン投与が多く使用される。また、対症療法として、リハビリ療法も有効である。

 

引用参考文献
1)目崎高弘.多巣性運動神経障害.医学大辞典.第2版,伊藤正男ほか編.医学書院,2003,1770.(ISBN 9784260005821)
2)日本血液製剤機構.MMN(Multifocal Motor Neuropathy/多巣性運動ニューロパチー)とは?.CIDPスクエア免疫グロブリン療法を受ける患者さんへ.
3)佐々木彰一.第4回 多巣性運動ニューロパチー.Live Today For Tomorrow.

執筆: 永澤成人

東京慈恵会医科大学医学部 看護学科老年看護学助教

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