看護師らしい温かさを意識して|ドラマ『神酒クリニックで乾杯を』山下美月・三浦貴大インタビュー

ドラマ『神酒クリニックで乾杯を』は、VIP専門のクリニックを舞台とした“メディカル・ミステリー”です(2019年1月12日から放送)。

 

このドラマで看護師・一ノ瀬真美を演じる山下美月さん(乃木坂46)と、主演の三浦貴大さん(外科医・九十九勝己 役)にドラマへの想いを聞きました。

聞き手/白石弓夏(看護師・ライター)

 

「神酒クリニックで乾杯を」の看護師役の山下美月さんと外科医役の三浦貴大さんとかんごるーちゃんのスリーショットの写真

看護師役の山下美月さん(乃木坂46)と、外科医役の三浦貴大さん。

 

ただ優しいだけじゃない。看護師らしい温かさを表現できるように

―― ドラマ『神酒クリニックで乾杯を』には、現実離れした個性の強い医療者ばかりが登場しますね。

その中で、山下さん演じる看護師・真美は、一見常識的で現場にいそうなキャラクターだと感じました。真美を演じるにあたり、山下さんが意識したのはどんなことでしょう?

 

山下:実は、小さいころは体が弱くて、年に1回くらいの頻度で入院していたんです。

病気でつらいとき、苦しいときに、看護師さんに背中をさすってもらえるだけで楽になる、という体験をしていました。

 

看護師さんの温かさや優しさが、患者のケアになっていくんだとそのとき感じていたので、演技をする上で意識しています。

 

でも、看護師さんって、ただ優しいだけじゃないですよね。

小児科の患者さんとのシーンでそれに気づきました。

 

患者が無理しそうなときには強い口調で注意するんです。

患者を第一に考えて動くのが看護師なんだな、と感じています。

 

看護師役の想いを語る山下さんの写真

看護師役への想いを語る山下さん。

 

 

印象的だった器械出しの細かなルール

―― そのほかに、印象に残っているシーンはありますか?

 

山下:手術のシーンも印象に残っています。

真美は、クリニックで働く唯一の看護師なので、オペナースとして手術にも入ります。

 

器械出しの場面では、使用する器械と、覚えることのあまりの多さに戸惑いました。

 

やってみるまでは、単純に渡しやすい方法であれば良いと思っていたんです。

でも、器具の渡し方、並べ方、すべてに細かなルールがあるとわかって…。

 

衛生面での注意事項が多く、ガーゼや糸の渡し方ひとつとっても、すごく難しかったです。

「看護師さんの業務ってこんなに大変なんだ…」と身にしみて感じました。

 

手術シーンで驚いたときのことを語る山下さんの写真

手術シーンで驚いたときのことを語る山下さん。

 

 

―― 外科医の九十九を演じる三浦さんは、真美の器械出しを受けてどうでしたか?

 

三浦:真美は、普段は天然でそそっかしいけど、患者さんを前にすると「できる看護師」に豹変する役柄です。

 

手術シーンの本番では、九十九が器械の名前を言う前に、すでに手元に出しているという手際の良さを表現していました。撮影前にたくさん練習していたので、その努力が素晴らしいなと思いました。

 

 

山下さんは、真美の「ギャップ」をうまく演じていたと語る三浦さんの写真

山下さんは、真美の「ギャップ」をうまく演じていたと語る三浦さん。

 

 

医療者へのリスペクトをもって

―― 三浦さんは、外科医を演じるにあたり、どんな準備をしましたか?

 

三浦:実は俳優になる前に、海でライフセービングの仕事をしていたんです。

なので、現場での救助から救急隊につなぐ、一次救命処置の緊迫感はわかっているつもりです。

お互いにプロとして、なるべく良い状態で傷病者を次の医療に受け渡すという気持ちがありました。

 

医師や看護師は、救命もそうですが、その後の生活をみていますよね。

患者の生活を守る人たちとして、尊敬しています。

 

九十九は、医療事故で患者を死なせた過去にトラウマをもっていますが、腕は一流です。

レスキューのときに感じていた医師へのリスペクトをもって、演技に取り組んでいます。

 

 

忙しい仕事の合間、看護師が楽しめるドラマに

ドラマのストーリーについて語る山下さんと三浦さんの写真

とても楽しそうに、ドラマのストーリーについて語る2人。

 

―― 最後に、看護師に向けて、ドラマのオススメポイントを教えてください。

 

三浦:ライフセーバーをやっていた頃、実は「レスキューを題材にしたドラマは観たくないなぁ」と思ってしまうタイプでした。

観ると、仕事を思い出して苦しい気持ちになってしまうんですよね…。

 

同じようなタイプの看護師さんも多いと思いますが、この作品は「医療ドラマ」と思わずに、エンターテインメントとして楽な気持ちで観てもらえると思います。

 

舞台となる神酒クリニックでは、VIP患者の治療だけでなく、事件の解決もしています。

そのバランス感とストーリーのスピード感を楽しんでもらいたいです。

 

 

山下:神酒クリニックには、看護師が一人しかいない状況です。

真美は、忙しいなかで看護師である自分にしかできないことを請け負っています。

 

そんな真美以上に、実際に働かれている看護師さんは、もっと大変な毎日を過ごしているんだな、と撮影をすればするほど実感しています。

 

忙しい仕事の合間に、ドラマを観て笑ってもらいたいですし、「謎が解けてすっきり!」という爽快感を味わってもらえたら嬉しいです。

 

 

おまけ

インタビュー時、山下さんは看護roo!のマスコット「かんごるー」に興味津々!

 

患者さんの前ではしっかり者だけど、普段は天然キャラという真美と同じく、お茶目な一面を見せてくれました。

 

かんごるーちゃんを頭に乗せて写真に写る山下さんの写真。

 

最後はかんごるーにバイバイまで!

 

かんごるーちゃんに手を振る山下さんの写真。

 

お茶目な山下さんが、どんなふうに患者さんの前で豹変するのか…。

ぜひ注目のうえドラマを観てみてください!

 

撮影/小原泰広(bridge)

編集/坂本綾子(看護roo!編集部)

 

 

土曜ドラマ9「神酒クリニックで乾杯を」(BSテレ東)

TVer][ネットもテレ東]では、最新話を無料で視聴できます。

 

©テレビ東京

◯土曜よる9時放送

◯原作:知念実希人(医師・作家)

◯主演:三浦貴大、安藤政信

◯キャスト:山下美月(乃木坂46)、松本まりか、栁俊太郎、板垣李光人、臼田あさ美、竹中直人、他

 

 

山下美月(やました・みづき)

1999年7月26日生。東京都出身。

獅子座。O型。乃木坂46の3期生。

アイドルとして活動するほか、ファッション誌「CanCam」の専属モデル、女優としても活躍中。

これまでの出演作は、乃木坂46版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、映画「日々是好日」など。

 

三浦貴大(みうら・たかひろ)

1985年11月10日生。東京都出身。

錦織良成監督「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」で俳優デビュー。

第35回 報知映画賞新人賞、第34回 日本アカデミー賞新人俳優賞、第86回 キネマ旬報ベストテン新人男優賞を受賞。「神酒クリニックで乾杯を」では主演を務めている。

 

 

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