潰瘍性大腸炎
『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』より転載。
今回は潰瘍性大腸炎について解説します。
著者/ぷろぺら(看護師)
医学監修/平野龍亮
相澤病院外科センター乳腺・甲状腺外科
日本外科学会専門医・日本乳癌学会乳腺認定医・臨床研修指導医
潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に潰瘍などができる原因不明の炎症性疾患で、厚生労働省から指定難病に定められています。
腹痛や下痢のほか、発熱や腸が栄養を吸収できなくなることによる体重減少なども起こります。
治療は人によって異なるところも多いですが、高タンパク、低脂質、低残渣食による栄養療法や薬物療法(ステロイドや免疫抑制薬など)を行うことが多いです。炎症の原因になる白血球を取り除く治療を行うこともあります。それでも改善がみられなければ…手術をして外科的に病巣である腸管を切除します。大腸全摘術+回腸嚢肛門吻合術を行うことが多いです。
潰瘍性大腸炎の腸管切除は、最終手段って感じだよね~
最近では、便移植も研究されています。健康な人の便をカプセルに入れて飲んだり、大腸内視鏡で健康な人の便を溶かした液を散布します。
ええええーっ!!
それなりの成績が出ているらしいよ。
なお、腸の炎症性疾患にはクローン病もありますが、こちらは消化管のどこでも起こるため、大腸をすべて取り切れば治る潰瘍性大腸炎と違い、消化管の狭窄などに対して手術を行うことはあっても、クローン病を治すために手術を行うことはありません。
【著者プロフィール】
ぷろぺら(@puropera44)
看護師。これまでに慢性期病棟、クリニック、消化器外科、HCU、救急病棟、泌尿器科、腎臓内科などを経験。
看護roo!では『マンガ・ぴんとこなーす』を連載中。
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本連載は株式会社南山堂の提供により掲載しています。
[出典] 『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』 著者・ぷろぺら/医学監修・平野龍亮/2020年3月刊行/ 南山堂