着帯
『新訂版 周産期ケアマニュアル 第3版』(サイオ出版)より転載。
今回は着帯について解説します。
福薗季里子
元・おおいしレディースクリニック助産師
立岡弓子
滋賀医科大学医学部看護学科教授
着帯とは
妊娠5か月目の戌(いぬ)の日に、妊婦の下腹部に白布の腹帯(岩田帯)を巻き、安産を祝う儀式を着帯という。この儀式は、犬はお産が軽いことから、安産を願って行われる。帯祝い、あるいは着帯の祝いともよばれる、古くから続く日本独特の習慣である。
目的・効果
①胎児の位置を保つ
②腹部の保護・保温
③腰痛の予防や緩和
④妊婦やその家族の精神的支え
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着帯の実際
必要物品
腹帯(木綿のさらし(図1)1反を半分に切ったものを、2つ折りにし、巻いておく)
CHECK
木綿のさらしは、吸湿性・保温性に優れているが、最近では、手軽に使用できるガードルタイプや腹巻タイプなどが選ばれることも多い。妊婦が使用しやすいものを選択し、不快症状を緩和しながら妊婦ライフを過ごしていくことが重要である。
手順
①腹帯の輪を上にして、布端を腰骨の下において恥骨結合部より上から巻き始める。
②1周したら、巻き始めを中に折り込む。
③腹帯を正中で折り返しながら、巻き上げる。
④下腹部を持ち上げるように、下から上へと巻いていく。
⑤最後に、布端を折り込む。
⑥血液循環や胎児の運動を妨げないよう、腹帯と腹壁の間に指1本分の余裕をつくる。
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本連載は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 周産期ケアマニュアル 第3版』 編著/立岡弓子/2020年3月刊行/ サイオ出版