コラム:術後の創傷治癒過程
『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』より転載。
今回は術後の創傷治癒過程について解説します。
著者/ぷろぺら(看護師)
医学監修/平野龍亮
相澤病院外科センター乳腺・甲状腺外科
日本外科学会専門医・日本乳癌学会乳腺認定医・臨床研修指導医
ちょっとここで、術後の創傷治癒について説明しますね ♪
創傷は、一般的に止血期→炎症期→増殖期(血管新生)→再構成期(上皮化)を経て治癒に向かいますが(図1)、手術創の場合は、止血(止血期)や汚染の洗浄(炎症期)は手術のときに人的にすまされているので、増殖期から始まるイメージです。
血管新生とは、ダメージを受けた創傷部位に、新しい血管が生成されることです。血管は低酸素状態で新生が促進されます。そこで、ドレッシング材などを用いる閉鎖療法も創部局所に低酸素状態を作り出すことで、血管新生を促進させるという考え方に基づいています。
さらに離床を進めて全身の血流がよくなることは、創治癒にも有利です。
【著者プロフィール】
ぷろぺら(@puropera44)
看護師。これまでに慢性期病棟、クリニック、消化器外科、HCU、救急病棟、泌尿器科、腎臓内科などを経験。
看護roo!では『マンガ・ぴんとこなーす』を連載中。
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本連載は株式会社南山堂の提供により掲載しています。
[出典] 『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』 著者・ぷろぺら/医学監修・平野龍亮/2020年3月刊行/ 南山堂