《画像検査の基礎知識》被曝の防護
『本当に大切なことが1冊でわかる呼吸器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は被爆の防護について解説します。
長島康恵
さいたま赤十字病院放射線・内視鏡センター看護係長
がん放射線療法看護認定看護師
井上章子
さいたま赤十字病院放射線・内視鏡センター看護師長
放射線管理区域
放射線を使用する検査室は放射線管理区域です(図1)。入退室時はルールに従い被曝を防護する必要があります。自己判断で入室せず担当技師の指示に従いましょう。
放射線を使用する検査では、X線が放出される方向にいる、撮影中患者さんの近くにいて散乱線をあびる、発生装置の近くにいるなどで被曝します。撮影中患者さんに近づく必要のあるときはプロテクターを使用し、被曝を防ぎます。
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被曝量の管理
放射線は目に見えない、体に感じないものですが、人体に影響を与えることがわかっています(表1)。そのため放射線による健康リスクが発生しないように管理が必要です。国際的な組織もありますが、日本では厚生労働省による「医療法施行規則」「電離放射線障害防止規則」、文部科学省による「放射線障害防止法」があります。
患者さんが必要な検査をする場合、被曝の制限はありません。ただし「医療法施行規則」が変わって、患者さんの受ける医療被曝の線量の記録と管理が求められるようになりました。2020年4月より高い線量の被曝検査(CT・血管造影・核医学検査)は、さらに厳重な被曝の管理を実施しています。
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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
書籍「本当に大切なことが1冊でわかる 呼吸器」のより詳しい特徴、おすすめポイントはこちら。
[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 呼吸器』 編集/さいたま赤十字病院看護部/2021年3月刊行/ 照林社