脳神経で行う治療の全体像
『本当に大切なことが1冊でわかる脳神経』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は脳神経疾患の治療の特徴について解説します。
大澤玲奈
東海大学医学部付属八王子病院看護部副主任
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
どんな治療?
脳神経疾患の治療は、内科的治療と外科的治療に区別されます。内科的治療には薬物療法や放射線治療などが含まれ、外科的治療は手術を指します。
治療の選択は疾患によってさまざまで、内科・外科を組み合わせて治療をする場合もあります。
内科的治療
薬物療法
外科的治療を除く、点滴や内服薬の投薬などが内科的治療に含まれます。
脳神経疾患の種類や既往歴(高血圧、糖尿病、脂質異常症、心疾患など)によって投薬治療の内容は個々に変わります。
図1の薬剤が脳神経疾患でよく使われます。
放射線治療
脳腫瘍や脳動静脈奇形などに対しては、外科的治療や薬物療法、放射線治療を併用する場合があります。
照射する部位や範囲、照射方法、照射量、分割法、併用療法などについては、症例ごとに計画する必要があります。
照射方法には全脳室照射、全脳照射、全脳全脊髄照射、定位放射線照射があります。
外科的治療
外科的治療の適応となる主な脳神経疾患には、クモ膜下出血、脳出血、脳動脈瘤、頸動脈狭窄症、脳腫瘍、脊髄腫瘍、脳動静脈奇形などがあります。
手術の方法(開頭術、穿頭術、シャント術など)は疾患によって異なります(表1)。
★1 MVD(microvascular decompression)
★2 TSS(transsphenoidal surgery)
memo:脳血管内治療
血栓溶解療法のrt-PA(アルテプラーゼ)は発症4.5時間以内の脳梗塞が適応。血栓回収療法は、基本的にrt-PAを優先し、発症8時間以内が適応。
本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
書籍「本当に大切なことが1冊でわかる 脳神経」のより詳しい特徴、おすすめポイントはこちら。
[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 脳神経』 編集/東海大学医学部付属八王子病院看護部/2020年4月刊行/ 照林社