脳神経の検体検査(脳脊髄液検査)

『本当に大切なことが1冊でわかる脳神経』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は脳神経領域で行う検体検査について解説します。

 

景山優子
東海大学医学部付属八王子病院看護部主任
石田智子
東海大学医学部付属八王子病院看護部主任

 

 

脳脊髄液検査とは

脳脊髄液検査は、中枢神経系および髄膜の疾患の確定を目的とし、脳脊髄液の一般性状と細菌・化学的検査のために行います(表1)。

 

具体的には、水頭症髄膜炎などを疑うときに行います。

 

表1脳脊髄液検査の適応患者

表1脳脊髄液検査の適応患者

★1 髄膜炎
★2 脳炎
★3 クモ膜下出血
★4 脊髄腫瘍
★5 ギラン・バレー症候群
★6 多発性硬化症(MS)
★7 神経変性疾患

 

髄液採取は、腰椎穿刺によって行います(図1表2)。検査後は頭痛頭重感が生じやすいため、合併症や患者さんの不安を軽減するケアと管理が必要です。

 

図1腰椎穿刺の流れと看護のポイント

図1腰椎穿刺の流れと看護のポイント

★1 初圧と終圧

 

表2脳脊髄液検査の検査項目

表2脳脊髄液検査の検査項目

 

memo:キサントクロミー

黄色味がかっ た色調のこと。

 

memo:日光微塵

試験管を光にかざして振ると塵のような細かい粒子が見えること。

 

 

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脳脊髄液検査前の看護のポイント

禁忌患者でないことを確認します(表3)。

 

表3腰椎穿刺の禁忌患者

表3腰椎穿刺の禁忌患者

 

医師が患者さんに検査の必要性を説明しており、同意が得られていることを確認します。

 

延食であることを確認します(処置後1時間程度問題なく経過していれば、食事摂取は可能となります)。

 

患者さん・家族が検査の必要性を理解しているか確認し、不安の軽減や除去に努めます。

 

 

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脳脊髄液検査後の看護のポイント

枕などの使用を避け、頭位を低くして1~2時間安静を保ちます。


医師への報告が必要なのは表4のようなケースです。

 

表4医師への報告

表4医師への報告


 

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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 脳神経』 編集/東海大学医学部付属八王子病院看護部/2020年4月刊行/ 照林社

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