包帯の目的、包帯の種類
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は包帯の目的と包帯の種類について解説します。
江口正信
公立福生病院診療部部長
〈目次〉
包帯の目的
包帯の目的は、①創傷部をおおい、化学的・物理的な外的な刺激から保護したり(被覆)、②創傷部に用いた薬剤や貼付剤などのずれの防止(支持)、③骨折や脱臼などの際に骨と関節を固定したり(固定)、④出血部位を圧迫して止血をはかったり、静脈還流を促したり(圧迫)、⑤骨折部の伸展や整復(牽引・矯正)などがあります。
包帯法を実施するために、患者の全身状態や患部の状態を把握し、部位や範囲、状況の変化を理解したうえで、包帯の種類や方法を選択します。
包帯を巻き終わったら、患部の状態や循環障害、運動障害、痛み、感染の有無、包帯のずれや巻き直しが必要かどうかなどを評価します。
現在では、包帯やガーゼに代わる効果的なドレッシング材や装具が開発されており、臨床現場で行う機会が減っていますが、救急場面や在宅においては必要な技術の1つです
包帯の種類
包帯の種類には、巻軸包帯や布帕包帯などさまざまな種類があります(表1)。
包帯の目的や部位に応じた適切な種類や幅の包帯を選択します。
巻軸包帯の幅(サイズ)は、並幅木綿(幅約28~30cm)を2等分したものを2裂とよび、約14~15cmほどあります。以下、3裂(約9~10cm)、4裂(約7~7.5cm)、5裂(約5.5~6cm)、6裂(約4.5~5cm)となっています。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版