輸液バッグが空になる前に次の輸液剤をつなぐのはなぜ?|中心静脈栄養法
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は輸液療法に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
輸液バッグが空になる前に次の輸液剤をつなぐのはなぜ?
中心静脈への輸液では、空になったバッグから静脈に空気が引き込まれる可能性が高いからです。
心臓よりも高い位置にある静脈の内圧は、心臓から隔たるほど陰圧になっています。その結果、血液は上大静脈から右心房への還流が促されるのですが、上大静脈が陰圧になっているため、輸液バッグが空になると残存する空気が上大静脈に吸い込まれてしまいます。末梢静脈ではこのような心配はありませんが、中心静脈の場合は十分に注意する必要があります。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版