刺入部を透明フィルムドレッシング材で覆うのはなぜ?|点滴静脈内注射

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は点滴静脈内注射実施時の刺入部に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

刺入部を透明フィルムドレッシング材で覆うのはなぜ?

薬液漏れや感染を起こした場合でも、すぐに発見できるようにしておくためです。刺入部より中枢側の血管の走行が赤く見えたり、針先の周囲が赤く腫れているような場合は、静脈炎や薬液漏れの可能性があります。静脈炎を起こしやすい薬剤に関する知識も必要です。

 

刺入部の異常が発見された場合は、すぐに針を抜きます。薬液が漏れてからさほど時間が経っておらず、腫脹が軽度の場合は、局所を冷やします。薬液漏れから時間がかなり経過した場合は、温湿布を行いながら局所を挙上(きょじょう)させます。

 

特に注意が必要なのは、抗癌薬、体液とpHが異なる薬剤を注入している場合です。こうした薬液が皮下に漏れると、組織の壊死を引き起こす場合があります。

 

漏れていることが分かったらすぐに針を抜去し、医師に報告します。

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ