浣腸のカテーテル挿入時、口呼吸をしてもらうのはなぜ?|浣腸

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は浣腸のカテーテル挿入時に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

浣腸のカテーテル挿入時、口呼吸をしてもらうのはなぜ?

口呼吸をすることによって患者の緊張をほぐし、腹圧がかからないようにして挿入をスムーズに行うためです。

 

カテーテルを挿入する際には、異物を肛門から侵入することで肛門括約筋が収縮し、自然に腹筋に力が入って腹圧がかかりがちです。この状態は、ちょうど排便の時の「いきみ」に似ています。

 

「いきみ」は、吸息時、声門を閉ざすことで可能になる動作ですから、口呼吸を行うと「いきみ」の動作ができなくなります。その結果、腹圧がかからなくなり、カテーテルの挿入がスムーズにいくようになります。

 

なお、カテーテルを挿入する前には必ず潤滑油をつけ、患者の苦痛を軽減するようにします。回転させるようにしながら挿入すると、肛門括約筋の不随意な収縮が予防できます。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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