両下肢を綿毛布やバスタオルで覆うのはなぜ?|床上排泄
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は床上排泄での注意点に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
両下肢を綿毛布やバスタオルで覆うのはなぜ?
排泄の際に両下肢を綿毛布やバスタオルで覆うのは、体の露出を最小限にするためです。患者のプライバシーへの配慮と、保温への留意という意味があります。
大部屋の場合は、患者のプライバシーを考え、必ずカーテンを引きます。
室温に注意しながら窓を少し開けて換気をします。消臭剤も適宜活用しましょう。
また、言葉遣いや声かけにも注意を払いたいものです。寝たままでの排泄は、患者にとって大きな心理的圧迫になります。不用意な言葉遣いによって患者の心を傷つけないよう、十分に配慮する必要があります。
ベッド上では、便器を当てたからといってすぐに排泄できるものではありません。「まだですか」「また、空振りですね」などの不用意な言葉は慎みましょう。
また、「たくさん出ましたね」という言葉は、看護師にしてみれば「さっぱりしてよかったですね」という思いの表現だとしても、患者にしてみれば不快に感じることもありえます。不用意な言葉で尿閉や便秘になる場合もあることを、肝に銘じる必要があります。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版