正確に1分間測定するのはなぜ?|呼吸測定
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は「呼吸測定の時間」に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
正確に1分間測定するのはなぜ?
普通、吸息(きゅうそく)が約1秒、呼息(こそく)が約1.5秒かかり、その後に約1秒の休息期があります。1呼吸に要する時間は3~5秒ということになります。
ということは、5秒間では1回の呼吸しか数えることができず、15秒では3~5回しか測定できません。例えば15秒間の呼吸数を4倍すると、12~20回と誤差が大きくなってしまいます。
また、呼吸は大きくなったり小さくなったり、早くなったり遅くなったりしやすいため、正確に回数を知るためには1分間測る必要があります。
呼吸音の聴取方法
呼吸によって上気道から気管、気管支、肺胞へと入った空気は、逆のコースをたどって外気に出て行きます。この呼吸を音でとらえたものが呼吸音です。気管支や肺に聴診器を当てて呼吸音を聴取する時は、プライバシーや保温に気をつけ、必要な部位だけ出すようにします。
チェストピースが密着できる部位を選び、胸部・背部ともに上葉から中葉、下葉へと左右を比較しつつ聴取していきます。吸息の初めから呼息の終わりまで聴取します。
呼吸音の異常を聴き分けることは大変に難しく、慣れないと分からない場合もあります。特に呼吸器疾患のある患者に対しては、検査所見や基礎疾患を意識して聴取することが必要です。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版