脈拍を測定するとき示指、中指、薬指の3指で測定するのはなぜ?
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『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は脈拍の測定方法に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
脈拍を測定するとき示指、中指、薬指の3指で測定するのはなぜ?
母指を用いると、測定者の母指血管自体の拍動が、患者の脈拍と混同して測定値に誤差を生じるためです。
〈目次〉
脈拍測定時、母指を用いないのは
母指の動脈は、示指、中指、薬指に比べ太いため拍動も大きく、患者の脈拍と混同して、測定に影響を与えるものと考えられます。また、母指以外でも指先に力を入れ過ぎると、測定者の指先の脈拍を感じることがありますので注意を要します。
脈拍の測定方法は
3指(示指、中指、薬指)による脈拍の触診は(人によっては示指と中指の2指)、指を橈骨動脈に沿って平行に置き、最初は均等に力を加えます(図1)。これにより3指の指先に脈拍を触れることができ、脈拍数やリズムの整、不整を知ることができます。
次に、患者の心臓側に置かれた指(薬指と中指)に力を加え、橈骨動脈の拍動が示指に伝わらなくなるまで圧を加えます。この方法によって、脈の大小や、弾力性などを知ることができます。
最後は3指の力を橈骨動脈の走行と直角に加え、どのくらい圧迫したときに拍動が触れなくなるかを調べることにより、動脈壁が弾性に富み、やわらかいかどうかがわかります。
動脈硬化性の変化の進んだ状態では、少々3指に力を加えても、容易に血流を止めることはできません。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版