熱があると呼吸数が増えるのはなぜ?
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『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は発熱時の呼吸数増加に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
熱があると呼吸数が増えるのはなぜ?
呼吸数の増加により、水分蒸発や伝導による体熱放散を増大させ、体温の低下をはかるためです。
〈目次〉
体熱放散作用が起こるのは
体温を一定に維持しようとするために、体温上昇時には体熱放散作用が働き、体温の低下をはかります。体熱放散作用としては、皮膚の血管拡張や血流量の増加による熱の放散や、発汗による水分蒸発作用があります。そのほか「呼吸の促進」や「唾液分泌」などによっても体熱放散が起こります(図1)。
これらの作用は視床下部にあるといわれている体温調節中枢が興奮することによって起こります。その興奮が皮膚の血管、汗腺、立毛筋をはじめとして、骨格筋、副腎などに伝わって調節反応がみられるわけです。したがって、呼吸数の増加は、この体温調節中枢の興奮が呼吸中枢に伝わって起こるものです。
呼吸数の増加による体熱の放散は
呼吸数の増加による体熱の放散は、気道を通しての水分蒸発や、外気との接触による熱伝導が関与しています。また、体温の上昇以外に、年齢、体位、筋肉運動、精神的興奮などの因子が関係して呼吸数は増加します。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版