消化器系（96問）　状況設定問題

第101回午後96問

次の文を読み問題3に答えよ。
Aさん（52歳、男性）は、2か月で体重が7kg減少した。2か月前から食事のつかえ感があるため受診した。検査の結果、胸部食道癌と診断され、手術目的で入院した。

問題3
その後、順調に回復し、術後3週目に退院する予定となった。

退院後の食事の指導で適切なのはどれか。

1.　「蛋白質を控えた食事にしてください」
2.　「食事は1日3回にしてください」
3.　「食事は時間をかけて食べてください」
4.　「食事の前にコップ1杯の水分を摂(と)るようにしてください」
5.　「食後は横になって過ごしてください」

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解答・解説

1.　「蛋白質を控えた食事にしてください」: 手術後に食事が摂取できない期間があったことを考えると、蛋白質は多く摂ったほうが回復のためにはよいと考えられる。
2.　「食事は1日3回にしてください」: 胃の貯留機能が低下していることから、1回の量を少なくした食事を数回に分けて食べることを指導すべきである。
3.　「食事は時間をかけて食べてください」: 術後は、食道の蠕動運動の消失、噴門の逆流防止機能の喪失、胃の貯留機能の低下、反回神経麻痺による嚥下障害などが起こることから、ゆっくり時間をかけて食べるよう指導することは適切である。
4.　「食事の前にコップ1杯の水分を摂(と)るようにしてください」: 食事が摂れなくても水分摂取は必要であるが、胃の貯留機能が低下していることから、食事の前にコップ1杯の水分を摂ると栄養を摂るための食事が摂れなくなってしまうおそれがあるため適切ではない。また術後は誤嚥しやすくなっているため、水をそのまま飲むことにも注意が必要である。
5.　「食後は横になって過ごしてください」: 術後は噴門の逆流防止機能を失っているため、食後に横になることは食物の逆流、嘔吐につながるため適切ではない。