状況設定問題（186問）　高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護

第107回午後97問

次の文を読み問題1に答えよ。
Aさん（87歳、男性）。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。

問題1
Aさんの状態に該当する認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。

1.　ランクⅡa
2.　ランクⅡb
3.　ランクⅢa
4.　ランクⅢb
5.　ランクM

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解答・解説

1.　ランクⅡa: ランクⅡaでは、たびたび道に迷う、買い物や事務作業、金銭管理など家庭外でこれまでできていたことにミスが目立つようになるが、サポートがあれば自立できる状態である。
2.　ランクⅡb: ランクⅡbでは服薬管理、電話や訪問者の対応、1人での留守番など家庭内でこれまでできていたことにミスが目立つようになるが、サポートがあれば自立できる状態である。Aさんは服薬管理や電話応対ができていないことから、ランクⅡbと判断できる。
3.　ランクⅢa: ランクⅢaでは日中を中心として着替え、食事、排便・排尿が上手にできず、介護が必要な状態である。やたら物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声、奇声を上げる、火の不始末、不潔行為、性異常行為などの症状がみられる。
4.　ランクⅢb: ランクⅢbでは夜間を中心としてⅢaと同様の症状がみられ、介護が必要な状態である。
5.　ランクM: ランクMではせん妄、妄想、興奮、自傷・他害などの精神症状や、精神症状に起因する問題行動が継続する状態あるいは重篤な身体疾患が現れ、専門医療を必要とする状態である。