状況設定問題（173問）　精神疾患・障害の特徴と看護

第106回改変午後108問

次の文を読み問題3に答えよ。
Aさん（28歳、女性)は、両親と3人で暮らしている。24歳のときに統合失調症を発症し治療を開始している。Aさんは大学卒業後に一度就職したが、発症後に退職し、現在も無職である。2週前から元気がなく、自室に引きこもって独り言を言っているのが目立つようになったため、両親同伴で外来を受診した。両親からは、1年前から便秘が続き、Aさんが薬の副作用（有害事象）を気にするようになったという話があった。

問題3
さらに3か月後、家事の手伝いができるようになり、家庭内で落ち着いた日常生活を送れるようになった。Aさんは「自分のことは自分でできるようになって、将来はまた働きたい」と話すようになり、社会復帰に向けて社会資源の利用を検討することになった。

この時点でAさんに紹介する社会資源で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.　就労移行支援
2.　地域活動支援センター
3.　居宅介護〈ホームへルプ〉
4.　短期入所〈ショートステイ〉
5.　共同生活援助〈グループホーム〉

解答・解説を見る

解答・解説

1.　就労移行支援: 就労移行支援は、一般就労等を希望し、知識・能力の向上等を通じ、適性に合った職場への就労等が見込まれる者を対象としている。Aさんは発症前のように一般就労を考えていると思われる。
2.　地域活動支援センター: 地域活動支援センターは、社会とのつながりがもてない障害者に対して、日中の居場所づくりや生きがいづくり、日常生活での困りごとを相談できる機会の提供などを行い、地域社会との交流を促進する役割をもっている。Aさんが社会参加をする前のリハビリテーションに役立たせることができる。
3.　居宅介護〈ホームへルプ〉: 居宅介護は、住んでいる家を訪問して介護サービスを提供するものである。Aさんは介護の必要な状態ではない。
4.　短期入所〈ショートステイ〉: Aさんは自宅で落ち着いた生活が送れ、そこからの社会参加をめざしているので、施設への短期入所は必要ない。
5.　共同生活援助〈グループホーム〉: 社会参加に向けて、グループホームでの生活も考えられるが、自宅で安定した生活や両親のサポートが受けられるので、すぐに必要なサービスではない。