状況設定問題（180問）　産褥期の看護

第102回午後114問

次の文を読み問題3に答えよ。
Aさん（38歳、初産婦）は、妊娠38週3日に2,900gの女児を正常分娩した。出産前は、Aさんは夫と2人で暮らしていた。引っ越して3か月であり、周囲に親しい知り合いや友人はまだいない。

問題3
産褥5日。Aさんは「少しずつ育児ができるようになってよかったですが、自宅での育児は不安です」と話している。

看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1.　児童相談所に連絡する。
2.　保育所の利用を勧める。
3.　新生児訪問の時期を早めるよう市町村保健師に依頼する。
4.　子育てをしている親の会に退院直後から参加することを勧める。

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解答・解説

1.　児童相談所に連絡する。: 児童相談所には、子どもへの虐待などといった人権にかかわる問題がある場合、保護者の事情（病気、死亡など）で子どもが家庭で生活できなくなったときなどに連絡する。
2.　保育所の利用を勧める。: 生後2か月から利用できる保育所はある。しかし、少しずつ育児ができるようになってきており、まずはAさんが自宅で安心し自信をもって育児ができるよう環境を整えることが重要である。
3.　新生児訪問の時期を早めるよう市町村保健師に依頼する。: 新生児訪問の対象は生後28日未満の新生児である（市町村によって異なる場合あり）。児の発育発達、育児環境を確認し、異常の早期発見やその後の育児が円滑に行えるように支援する。担当者は市町村の保健師、助産師、市から委託された開業助産師等である。Aさんは退院後の育児に対して不安があるため、早めに新生児訪問を行うことで、Aさんの不安軽減につながるようにしていく必要がある。
4.　子育てをしている親の会に退院直後から参加することを勧める。: 退院後の褥婦の生活は、児と同じよう授乳の合間に休息をとり、徐々に生活を拡大させ、産後1か月ころに通常の生活に戻る。退院直後から地域の親の会に出るのではなく、まずは褥婦自身の身体の回復と、自宅での育児が確立できるようにしていく必要がある。