仕事への「慣れ」で、なくしてしまったもの|ナースのみんなに聞いてほしい話(9)

看護師としてできることが増え、自信がついてきた。でも…?

 

NICUで働いて半年が過ぎた頃です。呼吸障害で患者がクリニックから搬送されてきました。思ったよりも状態は悪くなく点滴で済みました。私は(軽傷で済んだ。早く帰れそう)と仕事終わりのことを考えていました。

親御さんが到着し、患者のもとへ連れて行くと、親御さんは「産まれてすぐ痛々しい点滴をつけされてごめんね…!!」と泣き崩れてしまいました。私も初めてここに来たときはそう思っていたのに、半年たって医療の世界に慣れてしまった自分にゾッとしました。それからはどんなに忙しくてもNICUでは大切なお子さんをお預かりしてるんだと心に留めています。

 

このお話は、「はなまる」さんの投稿をもとに作成しています。

※この作品はフィクションです。実際のエピソードもとに、個人が特定されないよう一部を脚色しています。

 

【著者プロフィール】

水谷緑(みずたに・みどり)HP

水谷緑

著書は『こころのナース 夜野さん』1~6巻(小学館)、『精神科ナースになったわけ』(イースト・プレス)、看護roo!での連載をまとめた『じたばたナース』(KADOKAWA)他多数。

 

 

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