【マンガ】それでも看護をする理由~Case.3 ゆい~(最終話)

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その後の佐倉さんと花江さんに対して、ゆいが考えた看護は…。

食事を娘・花江のためにおにぎりにしていたことがわかってから、食事の際には花江さんの話題を出すようにして、都合がつく日は花江さんも一緒に食事をしてもらうようにしたら、佐倉さんがおにぎりを作る行為は減っていきました。

 

 

 

食事をしている2人の横を通りかかったとき、ゆいは花江に呼び止められました。そして花江は、「大熊さんがおにぎりだって気付いてくれたから、理由を知ることができたんだと思います。それに私も、今の母のことを少し理解できて本当によかった。」と笑顔で言いました。

 

 

 

「こちらこそ色々学ばせていただきました。」と笑顔をかえすゆい。解決を海老名先輩に報告すると、「なるほど、それは良いケアができたわね。相手を知らなければ、ケアは成立しない。佐倉さんの背景にちゃんと向き合ったのね。」と嬉しそうに言いました。

 

 

 

それから、しばらくして佐倉さんは退院することになりました。退院後ももの忘れ外来で定期受信を続け、経過をみるとのことです。佐倉さんは、「お祝いならごちそう作らなきゃ。」と言いました。花江は、「え!?ダメだよ母さん!」と大きな声を出しました。

 

 

 

「まだ腰も治りきってないのに、転んだらどうするの。それに火の扱いだって…。」と続けると、佐倉さんがとても悲しそうな顔をしていることに気がつき、「違う、ごめん。」と謝りました。

 

 

 

佐倉さんの方を向くと、「またおにぎり作って?鮭買ってくるから。」と母の手をにぎると、佐倉さんも嬉しそうに笑顔が戻りました。

 

 

 

「2人とも良い顔してたね。」と話しながらゆいと先輩は、佐倉さん親子を見送りました。その夜、同期3人は、「よ~し、お祝いだ~。」「メニューは内緒ね。」「萌の料理なら何でもたのしみ!」と部屋に向かうと、ガチャッと途中でドアが開く音がしました。見ると

 

 

 

少し変わった寮の住民が3人を覗いて微笑むと、部屋に戻っていきました。ゆいとともかは、「ゆいちゃん、あの人見覚えが…。」「私も思った。」と口を揃えていい、さっきの住民があのニコニコの海老名さんであることに気が付き、叫び声をあげるのでした。

 

 

 

仲良くご飯を食べる3人。私たちはまだまだ、自分の未熟さを知るばかりで、何が大切か、見失ってしまうこともある。それでも、看護を続けていたら、

 

 

 

ゆいは、少し恥ずかしそうに「私ね、認知症看護の認定看護師、目指そうかと思ってる。」と言いました。それを聞いた萌とともかは、「最高!!絶対向いてる!!」「全力で応援する~!」と嬉しそうにゆいに抱きつくのでした。見えてくるものがあるんだよね。一緒に悩んで、支えてくれる仲間がいるから。(おわり)

 

【おわり】

 

※編集部注:作中の描写で、マスクの着用など感染対策が不十分なところがありますが、漫画としてのわかりやすさを重視しております。その点ご理解の上、お楽しみください。

 

 

【マンガ:小暮さきこ】

漫画家・デザイナー。

2008年に漫画家デビュー。

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原案:坂本綾子(看護roo!編集部)

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