【マンガ】大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~(最終話)

緩和ケアの現場が舞台のマンガ、出張連載です(前のお話はこちら)。

悲しみは他人事!? 緩和ケアナース・木下さんの言葉の真意とは…?

 

父親が亡くなってしまった緩和ケアナースの木下さん。父を失った悲しみは、怒りとしてこみ上げてきました。お葬式で親戚たちが「兄弟の中で一番下でこれからだったのに。」と悔やむことばを聞いても、『なんで父が死んであんたたちが生きてるんだ?』と怒りがこみ上げてきました。

 

 

『死ぬべきはあんたでしょ、順番が違う』と考えてしまう自分を『どすぐろい…嫌な奴』と罪悪感にもかられました。でも怒りは止まらず、街を歩いても、テレビを観ていても、父より長く生きている人を見るとどうしようもなく怒りが湧いてしまいました。人にもいえず、わかってもらえるわけもなく、責められるのをわかっているから家族とも共有できませんでした。

 

 

そんな経験を話しながら、木下さんは、「1人で解決するしかなかった。結局父が亡くなってから1年くらい怒っててつらかった。」と言いました。作者が「怒り…悲しみはなかったの?」と聞くと、木下さんは「くやしさや怒りも悲しみに1つの表現だと思う。」と答えました。

 

 

「私は患者さんの家族の気持ちをわかった気になっていただけだった。それまで患者さんが亡くなってもいつまでも引きずることはなかったけど、自分の身内の死は耐え難かった。悲しみを変わってあげることはできない。悲しみは患者さんと家族が引き受けなければいけないんだ。」と言いました。

 

 

「他人事でいいんだと思う。ちょっと冷たく聞こえるかもしれないけど…」と言いました。それを聞いた作者は、「私も父が亡くなったとき、父と私の関わりは世界で私1人しか体験していないことだから、誰かと同じように共有することはできなくて、家族や友人にも悲しみをわかってもらうことができなくて。」

 

「これが孤独だと初めて知りました。だから他人の悲しみがわからないという前提は誠実だと思う。」と感じたことを伝えました。静かに「他人事でいいと考えるようになってからラクになったの。私がやることは安心して悲しめる場をつくることだと思ってる。」と緩和ケアナースの役割について語る木下さんなのでした。

(閲覧期限なし)

【おわり】

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【著者プロフィール】

水谷緑(みずたに・みどり)HP

水谷緑

著書は「コミュ障は治らなくても大丈夫」(吉田尚記、水谷緑)「まどか26歳、研修医やってます!」「あたふた研修医やってます。」(KADOKAWA) 他。小学館「いぬまみれ」にて犬漫画「ワンジェーシー」連載。

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