被害者は語る|マンガ・ママナースもも子の今日もバタバタ日誌(28)

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浜田師長のいじめ告発に向けて、まずは他の被害者と面会するもも子。話を聞いてみると…

青木師長が会ってほしいと言っていたナースの星川さんと初対面したもも子。星川さんとは以前会ったことがあり、何回か研修で一緒になったことがわかりました。

「やっぱり…最近お見かけしないなーと…。」ともも子が言うと、青木師長が「辞めたのよ。例の浜田さんのいじめで。」と説明しました。続けて、「彼女もやっぱりママナースなのよね…でもやり口がヒドイ!ももこさんにもヒドイことしているけど、彼女は辞めた今もPTSDで苦しんでるの…。」と言いました。

 

「とにかくもも子さんも彼女の話を聞いてみてくれる?」という青木師長にもも子が承諾すると、星川さんは、過去の経験を語り始めました。星川さんは、ママナースになって病棟に午前だけの勤務で復帰したのですが、浜田師長には当初からネチネチ嫌味を言われていました。それでも同僚たちは優しく、勤務内容にも納得して手伝ってくれていました。

でも師長はわざと星川さんに引き継ぎしにくいような仕事を割りふります。「今日のオペ出しは担当あなたね。」という師長に、星川さんは「私12時までなんですけど…。オペ出しは13時で…。」と勤務時間を超過してしまうことを伝えました。すると師長は、「じゃあ他の人にやってもらう?皆忙しそうだけど…!?他にあなた何ができるの?」と強い口調で言い、さらに「カンファレンスも出ない、ミーティングも研修もレポートも免除されてるじゃない。皆やってるのにどうしてあなたはいいの?また子ども?」と続けざまに嫌味を言いました。

言い返せない星川さんは「す…すみません…やります…。」と渋々仕事をこなし、結局いつも子どものお迎えは遅刻してしまいました。子どもと帰りながら、『でもこの仕事はなりたくてなったんだもの…子どものせいにして辞めたくないな…。』と思いますが、そうはいっても師長のいじめは続き…初めはかばってくれていた同僚たちも、星川さんに優しくすると師長に怒られるようになりました。

師長は周りのスタッフが手助けできないよう圧力をかけたりして、同僚も星川さんを避けるようになりました。「どんどん孤立していったんです…ストレスもたまりきってて…そして…私ついにやっちゃいけないこと…してしまったんです…。」と辛そうに語る星川さんに、『なに…やっちゃいけないことって…』と青ざめながら聞くもも子なのでした。

 


【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

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