空飛ぶナース|マンガ・患者さまは外国人【10】

マンガ・患者さまは外国人【10】

空飛ぶナース

出張Web連載も今回で最終回。

最後に、エスコート・ナースとしての活動をご紹介します。

実はルミには、クリニックのナースのほかに、もうひとつの顔があります。それは「空飛ぶナース」!海外でケガをして、ひとりでは日本に帰れないときや移動中もずっと点滴が必要なときに出動するのが「エスコート・ナース」。「フライングナース」とも呼ばれます。

仕事は医師や看護師を派遣する会社からの連絡で始まります。海外旅行保険に入っていれば、ケガ・病気で医師や看護師の派遣が必要になったとき、その費用を保険会社が払ってくれます。その保険会社から派遣要請があり、それを受けた派遣会社から連絡をもらい、ルミは病気やケガをした日本人を海外に迎えにいったり、日本に滞在中の外国人を母国まで送ったりするのです。

この仕事は体力勝負!行きの飛行機では、食事は半分にして、できるだけ睡眠をとります。スイスに到着!地方の遠く離れた病院には日本人の看護師なんて、まずいません。時には英語が通じない…なんてことも。

担当医の診断書や薬などをもらい、患者さんを救急車へ。この時、患者さんとご家族がパスポートや帰国用の航空チケットをもっているか確認するのもルミの仕事です。出国手続きが済むと搭乗です。

機内には簡易病室が作られ、男性乗務員さんや救急隊員さんが患者さんを丁寧に運んでくれます。フライト中は大忙し。点滴を変えたり薬を飲ませたり、トイレのお世話に食事の介助。そのすべてを作業の合間に記録します。

成田で国内線に乗り換えて、患者さんの地元の空港へ飛び、空港からは民間の移送車で地元の入院先の病院へ。病院についたら、患者さんの経過や今の状態を医師に報告。ここでやっとミッションコンプリート!

患者さんに挨拶してお別れです。こうして笑顔で東京へ…と言いたいところですが、ルミはもう20時間以上寝ていません。帰り道はほどんと記憶なしで家に到着。次のエスコートの仕事がいつきてもいいように準備をします。

空飛ぶナースの仕事では、今まで行ったことのないあちこちの国にいけます。でも実際は0泊2日や1泊2日の弾丸ツアー。仕事中に寝ないよう、雑誌とアメとガムを必ず買っていきます。その国の雰囲気を味わうまもなく、観光もできません。それでも異国でケガや病気をした患者さんがルミの顔を見て…ほっとした顔を見せてくれたり、手を握ってくれた時、「この仕事を始めて良かったな」と心からこう思うのです。

 

◆このマンガの登場人物

〈ルミ〉ふだんはドクターの右腕としてクリニックを支えるナースの山本ルミ

しかしひとたび司令が下れば、世界のどこへでも患者さんを迎えに出かけていく「エスコート・ナース」に変身!

 

〈ドクター〉「インターナショナル・クリニック」の院長、エフゲニー・アクショーノフ先生。1924年に旧満州で生まれ、今は無国籍。

長身でハンサム、そして天然ボケが魅力。好きなおやつは石焼き芋。

 

◆著者

原案・山本ルミ

マンガ・世鳥アスカ

 

【主人公・山本ルミさんの記事はこちら

・インタビュー

・エッセイ

 

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『患者さまは外国人』(CCCメディアハウス)

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