先輩によって言うことが違う|現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル(6)

『現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル』より転載。

今回は「先輩によって言うことが違う」というお悩みに答えます。

 

先輩看護師Aと先輩看護師Bの言ったことの違いに、混乱してしまう後輩看護師のイラスト看護師Aが後輩看護師の困っている様子に気が付き、看護師Bに説明してその場を収める様子のイラスト

 

教えてもらったことの違いを考える

これは、看護だけではなくそれ以外の仕事でも起こりうることです。

 

たとえば、A先輩から教えてもらった方法について、B先輩に「なんでこんなやり方をするの?」と注意をされる。

 

言われたとおりにやっただけなのに怒られてしまうと、混乱しますよね。

 

具体的な例を挙げてみましょう。たとえば、患者さんのオムツを交換するときに、患者さんの足をあげる方法と患者さんの体を横にたおす方法があります。

 

たいていの場合は、不都合なく交換できればどちらでもよいのです。

 

しかし、患者さんの状態によっては足をあげてしまうと体に負担がかかる人もいれば、体を横に向けるのが困難な人もいます。

 

看護師になりたてのうちは、そういった判断が難しいので、教えてもらった方法がひとつあると、それを踏襲しようとしますよね。

 

そこで一度立ち止まって、「なぜAさんはこの方法を教えてくれたんだろう」「なぜBさんは違うやり方を提案してくれたんだろう」と先輩ごとに対処が違った理由を考えて看護の理解を深めるのがよいと思います。


ただ、先輩から自分のやり方を否定されるとびっくりして言葉が出てこないもの。

 

そのときにはいったん「新しい情報だな」と思いつつ、言われたとおりの手順でやってみて、落ち着いてから違いについて考えてみましょう。

 

人の名前を使って反論するのは悪手

今回のケースでやりがちなのは、Bさんに「Aさんにはこういう手順を教えてもらいました」と言ってしまうこと。

 

自分は間違っていないと主張したいのはわかりますが、この言い方をしてしまうと「自分で考えて仕事してないんだな」「仕事を理解しようとしてないんだな」と思われてしまうことがあります。

 

おすすめは、Aさんの名前を出さずに、教えてもらった内容だけで会話を成立させることです。

 

たとえば、今回の場合なら「前にこのように教えていただいたのですが、そのときとの違いがわからないのでお聞きしてもよろしいですか?」などと返すのがベターです。

 

自分なりに理解して、自分の判断でこちらの方法を選んだ、と説明できたほうが周りからの印象もよくなるはずです。

 

周りから「教えてあげたい」「助けてあげたい」と思われるようにふるまうのもひとつのアプローチ方法です。

 

私たちは、自分の正当性を主張するためではなく、自分の看護をよりよいものにしていくために日々学んでいます

 

なので、なにか指摘されても「新しい対処法が知れるな」くらいの気持ちで受け止められるとお互いに仕事がしやすいと思います。

 

 

 

 

 

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プロフィール
かげプロフィール

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病棟看護師、保健師、呼吸療法認定士、終末期ケア専門士。

看護師・看護学生に向けたわかりやすいイラストでの医療知識の解説で、ファンを増やし続けている。著書に永岡書店『ホントは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖〜かげ看』、南江堂『かげさんのイラストで学ぶ 心電図と不整脈めも』など。

看護roo!では『看護師かげと白石の今週のモヤッと』を連載。

 

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