点滴の滴下数計算、簡単らくらく法&早見表

めんどうな点滴の「滴下数の計算」が、簡単にできる方法を3つ紹介します!

 

イラスト・看護監修:はや(看護師)

 

 

1 滴下数の自動計算ツール

1つ目は滴下数の自動計算ツールです。

 

「輸液の量(mL)」「輸液時間(分)」、そして「1mLあたりの滴下数(成人用輸液セットは20、小児用輸液セットは60)」を入力するだけで、1分あたりの滴下数がわかります。

 

1mLあたりの滴下数は、成人用輸液セットで20滴小児用輸液セットで60滴で、この2種類しかありません。

 

滴下数の自動計算ツール

 

輸液の量

mL

 

輸液時間

 分

 

1mLあたりの滴下数
(成人用は20、小児用は60)

 滴

 

1分あたりの滴下数は

= 0

 

2 滴下数の簡単らくらく計算法

2つ目は、自分で滴下数を計算する方法です。

 

「輸液の量(mL)」を「輸液時間(分)」で割り、「1mLあたりの滴下数」を掛けます。
 

滴下数の計算 成人の場合:輸液時間(分)÷輸液の量(mL)✕20 小児の場合:輸液時間(分)÷輸液の量(mL)✕60 成人の場合で500mLの点滴を5時間で落とす場合:300÷500✕20

 

 

1時間あたりの輸液の量で計算すると早い!

早く計算するコツは2つあります。

 

1)割り算して、1時間あたりの輸液の量を計算する

 

2)分母の「輸液時間(分)」と分子の「1mLあたりの滴下数」を約分する

 

1時間あたりの輸液量は、約分すると、成人は3で割るだけ、小児はそのままの数字

 

1時間あたりの輸液の量は、小児用はそのままの数字、成人用は3で割った数字が、それぞれ1分あたりの滴下数です。

 

【計算の例】500mLの輸液を5時間で投与する場合

実際に、500mLの輸液を5時間で投与する場合で見てみましょう。

 

1分間で滴下数を合わせるのは難しいので、その値を割って10秒もしくは5秒あたりの滴下数にすれば、合わせやすいのでおすすめです。

 

成人の場合で500mLを5時間で落とすとすると、500÷5で1時間あたりの輸液量を先に計算しておく。100を3で割ると、33.333となる。それを6で割れば10秒あたりの滴下数が5.5555とわかる。さらにそれを半分に割ると5秒あたりの滴下数が2.77とわかる。5秒間でだいたい3滴落ちるように調整、となる。

 

1回だけでバッチリとは合わないのが普通です。

 

訪室時、残りの輸液の量と、残りの輸液時間で計算し直して、滴下数を微調整しましょう
 

 

3 滴下数の早見表

3つ目は、輸液500mLおよび100mLを投与する場合の10秒間あたりの滴下数の早見表です。

 

10秒間の滴下数 早見表 【成人の場合(500mL)】30分:55.6、1時間:27.8、2時間:13.9、3時間:9.3、4時間:6.9、5時間:5.6、6時間:4.6、7時間:4.0、8時間:3.5、9時間:3.1、10時間:2.8、12時間:2.3、24時間:1.2 【成人の場合(100mL)】30分:11.1、1時間:5.6、2時間:2.8、3時間:1.9、4時間:1.4、5時間:1.1、6時間:0.9、7時間:0.8、8時間:0.7、9時間:0.6、10時間:0.6、12時間:0.5、24時間:0.2 【小児の場合(500mL)】 30分:なし、1時間:83.3、2時間:41.7、3時間:27.8、4時間:20.8、5時間:16.7、6時間:13.9、7時間:11.9、8時間:10.4、9時間:9.3、10時間:8.3、12時間:6.9、24時間:3.5 【小児の場合(100mL)】 30分:33.3、1時間:16.7、2時間:8.3、3時間:5.6、4時間:4.2、5時間:3.3、6時間:2.8、7時間:2.4、8時間:2.1、9時間:1.9、10時間:1.7、12時間:1.4、24時間:0.7

 

 

執筆・編集:看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

 

 

参考文献

  • 1)大川美千代.成人用と小児用の輸液セットがあるのはなぜ?|点滴静脈内注射.看護roo!.(2023年6月22日閲覧)

 

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