看護師の「有給休暇の取得率」どのくらい?|看護roo!ニュース

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慢性的な人手不足と、シフト制という勤務の特徴から「看護師はなかなか有給休暇が取れない」と感じている人も多いかもしれません。

 

実際のところ、「看護師の有休取得率」はどのくらいなのでしょうか?

 

日本看護協会の調査データなどから見てみましょう。

 

 

病院で働く看護師の有休取得率は60.5%

日看協の調査(2020年病院看護実態調査)によると、病院に勤務する看護師の有休取得率は平均60.5%でした

 

※有休取得率=総取得日数÷付与日数の総計(前年度からの繰越分は除く)×100

 

内訳を細かく見てみると、「取得率50~60%未満」というケースが最も多く15.2%。「取得率90%以上」も全体の1割ほどを占めていました。

病院で働く看護師の有休取得率、円グラフ。取得率が10%未満は1.9%、10~19%は3.6%、20~29%は3.3%、30~39%は7.6%、40~49%は13.0%、50~59%は15.2%、60~69%は14.5%、70~79%は12.9%、80~89%は11.7%、90%以上は10.4%、無回答・不明6.0%

(小数点以下第2位は四捨五入のため構成比合計は100%になりません)

 

2019年4月の労働基準法改正で「年5日の有休取得」が義務化されたことなどもあり、ここ数年、看護師の有休取得率も少しずつ上がってきています。

 

一方で、有休取得率が50%未満にとどまるケースも全体の3割ほどとなっており、職場によって差があることがうかがえます。

 

特に、規模の大きい病院ほど看護師の有休取得率は低くなる傾向が見られました。

病床規模別の看護師の有休取得率グラフ。99床以下62.6%、100~199床63.8%、200~299床61.4%、300~399床56.3%、400~499床53.2%、500床以上48.0%


 

労働者全体の平均と比べたら多い?少ない?

看護師の有休取得状況は、労働者全体の中で見るとどのくらいなのでしょうか?

 

厚生労働省の調査(2020年就労条件総合調査)によると、労働者全体の有休取得率は平均56.3%でした。

 

このうち、男性平均は53.7%女性平均は60.7%となっています。また、産業別に見ると「医療・福祉」の平均は53.4%でした。

 

こうして比べてみると、看護師が特別、有休を取りにくいというわけでもないようです。そもそも「日本の働き方」が全般的に休みにくい環境だと言えるのかもしれません。

 

 

看護師が「希望通り」の有休を取れるように

看護師の有休取得率は年々、改善の傾向にはありますが、職場間・個人間の差も見られます。また、

 

  • 病院から参加するように言われた研修会は、本来なら業務に当たるはずなのに有休扱いにされた
  • 人手不足で、有休を申請しても希望通りには取れない

 

といった声も聞かれるなど、リアルな現場の実感はまた少し違ってくるでしょう。

 

日看協の別の調査(2019年病院および有床診療所における看護実態調査)では、現在の病院からの離職を考えている看護師が「辞めずに働き続けるための条件」を挙げています。

 

その条件の上位3つは「仕事に見合った給料がもらえる」「残業が少ない」有休が取りやすいで、有休の取りやすさは看護師が働き続けるうえでも重要なポイントです(関連記事)。

 

看護師が希望の有休を取りやすい環境づくりへ、取り組みがさらに進むように期待されます。

 

看護roo!編集部 烏美紀子(@karasumikiko

 

 

(参考)

2020年病院看護実態調査(日本看護協会)

2017年看護職員実態調査(日本看護協会)

令和2年就労条件総合調査の概況(厚生労働省)

看護職の働き方改革の推進|休日休暇(有給休暇)(日本看護協会)

2019年病院および有床診療所における看護実態調査(日本看護協会)

 

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