コロナ軽症治療薬「抗体カクテル療法」ってどんな薬?|看護roo!ニュース
最新記事:「抗体カクテル療法」医療機関が外来で投与する5つの条件|看護roo!ニュース
新型コロナの軽症患者に使うことができる治療薬が、国内で初めて特例承認※されました。
「抗体カクテル療法」と呼ばれていますが、どのような薬なのでしょう?
看護師が知っておきたいポイントをまとめました。
※感染症の拡大など緊急で必要な場合に、海外での使用実績などが条件となる特例的な承認
2つの薬を同時に投与する「抗体カクテル療法」
今回承認されたのは、中外製薬が製造販売元の「カシリビマブ/イムデビマブ」。
「カシリビマブ」と「イムデビマブ」の2つの点滴薬を同時に投与することで、2種類の抗体が作用し新型コロナウイルスの働きを抑えます。変異株に対し1種類の抗体が作用しなくなっても、もう1種類の抗体が作用することで効果を維持することが期待されています。
複数の飲み物を混ぜ合わせる“カクテル”になぞらえ、「抗体カクテル療法」と呼ばれています。
コロナ軽症患者に使える薬の承認は初めて
国内ではこれまでに、新型コロナウイルスの治療薬として「レムデシビル」「デキサメタゾン」「バリシチニブ」の3つの薬が承認されていましたが、いずれも中等症から重症の患者が対象でした。
今回承認された「カシリビマブ/イムデビマブ」は、軽症から中等症の患者が対象で、軽症の患者に使える治療薬としては初めての承認となります。
高齢者や基礎疾患がある人など、重症化のリスクが高い人への早期治療で重症化を防ぐことが期待されていますが、供給量に限りがあるので、使用できる対象が限られています。
在宅患者も対象に含めるべきではないかとの声もありますが、厚労省は当面の間は入院患者を対象とするとしています。
国が買い上げ、医療機関に無償提供
中外製薬によると、海外の臨床試験では、「カシリビマブ/イムデビマブ」の投与で入院や死亡のリスクを約7割減少したといいます。
重症化を防ぐ効果が期待される一方で、世界的にも供給量が限られていることから、製造販売元の中外製薬から国が買い上げ、医療機関に無償で提供されます。
厚生労働省は2021年の使用分は確保しているとしています。
看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo)
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