突然の異動!どうしたら…?看護師が知りたい「異動」のこと

突然の異動!どうしたら…?看護師が知りたい「異動」のこと。異動の辞令を突然受け取って困惑している看護師のイラスト

看護師に突然やってくる「異動」の辞令――。

 

急に異動を言い渡されて、

「え~~、なんで私が…???」と戸惑ったり、
「せっかく慣れてきたのに。新しい病棟でやっていけるのかな」と不安になったり…。

 

看護師の異動に多い悩みについて、心の準備ができるアドバイスとともに見ていきましょう。

 

気になる異動の理由や、異動に対して前向きになれないときの考え方も解説します。

 

 

慣れない業務や人間関係でストレス…異動の不安と心構え

異動を言い渡された看護師が、特に不安になるのは、

 

  • イチから知識や技術を身につける大変さ
  • 人間関係への心配

の2つが大きいようです。

 

それぞれの不安に、どんな心構えをしておけばよいのでしょうか。

 

今と違う領域への異動、知識や手技が心配

落ち込んだ表情の看護師のイラスト

内科系からいきなり外科系…!? またイチからでツラい…。

驚く表情をする看護師のイラスト

異動したら経験のない手技も多そうだけど……大丈夫かな?

 

異動が決まって真っ先に心配になるのは、やっぱり仕事のこと。

 

疾患の知識もケアの手技も、新しく学び直さなくてはいけないストレスで憂鬱になる人も多いでしょう。

 

また、「◯年目だし、新人みたいに質問しすぎるのもな…」と、ちょっと構えた気持ちにもなるかもしれません。

 

ですが、異動してしばらくは、知らないこと・初めてのこと・わからないことがたくさんあって当然です。

 

現場で困ったり、迷ったりしたときは、ためらわずに質問・確認して大丈夫!

 

思い切って質問してしまったほうが、その後の仕事もスムーズに進めやすくなります。

 

たとえば、

 

  • 「◯◯の疾患の患者さんを受け持つのは初めてなので、少しご相談いいですか?」
  • 「以前の病棟では経験がなかった手技なので、一緒に手順を確認してもらいたくて…」

…など、心配な点を素直に伝えてみましょう。同僚のナースたちも、異動してきたばかりのあなたをきっとサポートしてくれるはずです。

 

もちろん、事前に参考書などで勉強しておければより安心ですよね。

 

ただ、異動の前後は引き継ぎ業務も加わって、普段以上に忙しいもの。身体を壊しては元も子もありません。

 

できる範囲で自己学習しながら、無理せず一つ一つ知識や手技を身につけていきましょう

 

Point

同じケアや業務でも、病棟ごとのローカルルールがあったりします。

 

異動直後で不安なときは、「前の病棟のやり方を続けても大丈夫か確認したいので、一緒にケアに入らせてもらっていいですか?」などと相談してみてもいいかもしれません。

 

病棟のルールを知ることにもなるほか、同僚ナースとのコミュニケーションも増え、病棟に早くなじむ近道にもなるでしょう。

 

 

新しい人間関係になじめるか不安…

落ち込んだ表情の看護師のイラスト

せっかく今の病棟に慣れたのに、新しい人間関係を築くのはしんどい…

驚く表情をする看護師のイラスト

怖い先輩がいたらどうしよう…

 

異動先の新しい人間関係になじめるのかは、気になるところですよね。けれども、 異動してすぐは知り合いも少なく、病棟の雰囲気もなかなかつかめないものです。

 

業務も慣れないことが多い中で、「人間関係もうまくやらなきゃ!」と気負いすぎると疲れてしまいます。

 

まずは、笑顔で挨拶したり、病棟のメンバーの顔と名前を覚えたり、「人間関係のキホン」ができていれば問題ありません

 

Point

顔と名前を覚えておけば、とっさに質問したいときに「◯◯さん、ちょっといいですか?」と話しかけやすくなりますし、毎日の業務を通じて、徐々にコミュニケーションも取れていきます。

 

 

看護師の異動が行われる理由は?

異動を言い渡された方の中には、「どうして私が異動なの?」「異動の理由が気になる」という人もいるかもしれません。

 

看護師の異動が行われる背景には、一般に次のような理由があります。

 

理由1 キャリアアップをサポートするため

異動先の病棟でキャリアアップのためにがんばろうとしている看護師のイラスト

看護師の異動には「本人のキャリアアップを支援する」という狙いがあります。

 

特に3~4年目は、最初の配属先で基本的な知識・技術を身につけ、看護の幅をさらに広げていく時期。

 

病院側も、

 

「この3年間で一般内科の看護の基礎をしっかり身につけてくれたから、◯◯さんには外科も学んで幅広く活躍してほしい」

 

「より専門性の高い領域への異動で、得意なケアを究めてもらおう」

 

など、これまでの経験・実力・適性を踏まえて、それぞれのキャリアアップをサポートしようと考えていたりするものです。

 

もちろん「本人の異動の希望をかなえる」というケースもあるでしょう。

 

新しい領域でイチからスタートするのは大変な面もありますが、異動は、看護師として成長できるチャンスでもありますね。

 

理由2 マンパワー調整のため

年齢や経験がさまざまな看護師が病棟にいる様子をあらわしたイラスト

退職や産休・育休などで欠けた病棟・部署のマンパワーを調整するのも、看護師の異動が行われる理由として大きいでしょう。

 

スタッフが不足した病棟の人数をただ確保すればよいわけではなく、ナースの年齢や経験、能力に偏りがないように、病院全体でのバランス調整が必要になります。

 

そのため、いくつもの病棟にまたがって調整が行われ、異動の対象になる人も多くなる…ということも少なくないようです。

 

理由3 病棟を活性化させるため

異動したばかりの看護師がほかの看護師たちに前の病棟でやっていたことを話しているイラスト

病棟・部署のメンバーが定期的に入れ替わることで、「新しい考え方や意見を取り入れやすくなる」という点も、異動で期待されることの一つです。

 

同じメンバーが固定化すると、長く一緒に働いてきた経験と慣れで業務がスムーズに進むメリットがある一方、どうしても問題点に気づきにくくなったり、視野が広がらなくなったりというデメリットも起こりがち……。

 

新しいメンバーが入ってくると、新鮮な気づきから業務の改善点が見つかったり、職場の空気もちょっぴり変わったりしますよね。

 

異動してきたメンバーの存在は、それだけで病棟を活性化させる「風」になるのかもしれません。

 

 

このように、個人のキャリアや病院全体のバランス調整など、看護師の異動にはさまざまな理由があります。

 

異動の理由が気になるときや、異動に納得できないときは、師長に「異動先でも頑張りたいので、私が異動になった理由をうかがってもいいですか?」などと聞いてみてもいいかもしれません。

 

 

異動に前向きになれないときは?

「異動にどうしても前向きになれない」という場合は、できるだけ早めに師長に相談してみましょう


たとえば、

 

  • 今の領域で資格取得などを目標にしている
  • 今の病棟で担当している研究テーマに継続して取り組みたい
  • 体調面で制限があり、異動先の働き方が難しい
  • 子育てや介護などで、異動すると働き続けるのが厳しい

…など、「現在の病棟・部署でやりたいことがある」「異動できないやむを得ない事情がある」といった理由があれば、一人で悩まず率直に伝えてみるのがいいでしょう。

 

もしも、相談を通じて前向きに受け止められるようであれば、一度、新しい環境でチャレンジしてから、あらためて考えてみるのもいいかもしれません。

 

 

おわりに

異動の前後は大変なことも多く、「新しいところでやっていけるのかな」「慣れないことばっかりで、もうしんどい!」と誰もが思うもの。

 

けれども、異動を経験することで「看護の幅が広がり、キャリアアップできる」「新しい分野でやりたいことが見つかる」「視野が広がって成長できる」など、プラスになることもたくさんあります。

 

異動のことを考えると 、気分が落ち込んだり、仕事に影響が出そうになったりすることもあるかもしれません。

 

そんなときは、話しやすい同僚や先輩、上司に相談してみてくださいね。

 

 

監修
 

日本赤十字医療センター看護部副看護部長 看護部教育企画室室長後藤薫

1992年に日本赤十字社医療センター入職。2019年同センター看護部看護副部長と看護部教育企画室室長を兼務。新人教育をはじめ、看護職員全般の教育に携わる。若手看護師の異動についての相談にのることも。

 

看護roo!編集部 橋本優子(看護師)

 

 

 

 

(参考)

モデル就業規則 PDF(厚生労働省)

(50)【異動】配転の意義、勤務場所の変更(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

 

 

 

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