新型コロナ感染急拡大への備え、看護師の負担軽減は考えてくれてる?|看護roo!ニュース

新型コロナ感染急拡大への備え、看護師の負担軽減は?

 

厚生労働省は、今後、新型コロナウイルスの感染が急拡大したときに備え、病床確保など医療提供体制を見直すよう、都道府県に通知を出しました。

 

感染急拡大時の対応方針を4月末までに決め、体制整備を遅くとも5月中に行うよう求めています。

 

看護師が知っておきたいポイントを紹介します。

 

 

「コロナ病床」や「宿泊・自宅療養体制」の確保を

医療提供体制の見直しで求められたのは、大きく次の3つです。

 

医療提供体制の見直し/1:受け入れ可能なコロナ病床を最大数確保、2:適切な宿泊療養・自宅療養体制の確保、3:患者対応の目詰まり解消

今後の感染拡大に備えた新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備について」(厚生労働省)を基に看護roo!編集部で作成

 

1)受け入れ可能な「コロナ病床」を最大数確保

この冬の感染拡大時、マンパワー不足で確保病床をすぐには使えなかったり、一般医療を想定以上に制限せざるを得なかったりするなど、医療現場に混乱が生じました。

 

そのため、地域における医療機関の役割分担の再検討や、入院治療が必要な患者が優先的に入院できる体制を整えるなどし、実際にすぐ受け入れ可能なコロナ病床を最大数、確保するよう求めています

 

コロナ医療に当てる病床数を考える際には、「急がない入院・手術の延期など、一般医療に一部制限が生じてはいるものの、そうした状況が一定程度続いたとしても、患者の生命・健康に重大な影響がないことを確認すること」とし、一般医療との両立に注意する必要があるとしました。

 

 

2)適切な「宿泊療養・自宅療養体制」の確保

宿泊療養施設でも、マンパワー不足や部屋の消毒対応の遅れなどの問題で、すぐには確保した部屋が使えない問題が発生していました。

 

自宅療養者の症状が悪化した際の対応も、保健所の業務が増大し、手が回らない状況がみられました。

 

そのため、感染急拡大時に病床が不足し、宿泊施設や自宅で療養する人が増えることが想定される地域では、パルスオキシメーターを配布した健康観察や、往診や訪問看護の利用促進などの体制を整えておく必要があるとしました

 

 

3)「患者対応」の目詰まり解消

病床や宿泊療養施設に空きがあっても、調整が進まず、待機中の患者が多く発生した地域もありました。

 

今回の見直しでは、都道府県・保健所・医療機関の間で入院」「宿泊療養」「自宅療養」の振り分けの考え方や判断基準を改めて整理

 

その上で、受診や検査から、療養先の調整や移送、転院や退院まで、一連の患者対応に目詰まりがないように確認し、柔軟に対応できる体制を整えておくよう求めました。

 

 

緊急時の対応などの取り決めも

さらに、感染急拡大時の緊急対応として、

 

予定入院や手術の延期なども含む緊急的なコロナ病床の確保

健康管理を強化した宿泊療養施設

自宅療養者の健康観察体制の確保

 

など、「もう1段上の対応」を検討する必要があるとし、コロナ以外の一般医療をさらに制限し、コロナ医療を優先させる想定もしておくよう求めています。

 

この緊急対応は、医療提供体制に相当負荷がかかるため、あくまで一時的な対応だとしています。

 

 

必ずしも看護師が行う必要のない業務を軽減

医療提供体制を見直す上で、看護師の負担軽減も検討項目の一つとされました。

 

負担軽減例として挙げられたのは、次のような方法です。

 

看護師の負担軽減/1:コロナ病床の清掃・消毒の委託促進、2:看護補助者向けの感染対策の教材作成

今後の感染拡大に備えた新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備について」(厚生労働省)を基に看護roo!編集部で作成

 

コロナ病床では、看護師が清掃や消毒業務を行うなど、医療以外の業務負担が増えていることが問題となっています。

 

そのため、そうした業務を委託できる民家業者の一覧の活用や、清掃業者向けに感染対策の研修会を開くなどして、委託を促進するよう求めています。

 

また、配膳やリネン交換などを行う看護補助者の確保につなげるため、看護補助者向けの感染対策の教材を作成し、今後、周知される予定です。

 

***

 

この冬の流行では、感染者数が全国各地で過去最多となり、医療提供体制への負荷が高まりました。

 

今後、変異株の流行が心配される中、さらなる体制強化が必要とされています。

 

医療提供体制を整える上で、長引く対応で疲弊する医療者の負担軽減は必須です。

 

 

看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

 

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