「自分の家族にしてほしいと思うケアをしなさい」と言われて悩む…|看護師かげと白石の今週のモヤッと(58)

この連載では、看護師のかげ白石が、読者から寄せられた「看護の現場で感じるモヤモヤ」にお答えします。

みんなの「モヤッと」が「ピカッと」に変わりますように!

 

連載:看護師かげと白石の今週のモヤッと

Vol.58 「自分の家族にしてほしいと思うケアをしなさい」と言われて悩む…

家族に接するようにと言われてモヤモヤする看護師のイラスト

 

今回は看護師4年目の方からのお悩みです。

 

 

療養病棟に勤務しています。
2年目になって業務が増え、加えて新型コロナの対応への忙しさもあるせいか、時折ケアが雑になってしまいます。

 

その際、上司から「あなたの親やおじいちゃん・おばあちゃんなど、自分の家族にしてほしいと思うケアをしなさい」と言われました。

 

しかし、私自身の家族関係があまり良くないからなのか、仕事がどれだけキツいのか理解しているからなのかはわかりませんが、そうした場面を想像すると逆に「私の家族が手間をかけさせてしまってすみません。他にもお仕事大変なんですね」と思ってしまいます。

 

こんなことを思ってしまうのは、看護師としていけないことでしょうか?

(扉さん 看護師2年目

 

上司の「自分の家族にしてほしいと思うケアをしなさい」ってアドバイスが、相談者さんにはしっくりこなかったんだね。

 

実は、私も似たようなことを学生の頃から時々聞いてたよ。

 

でも、私もいまひとつピンとこないんだよね。

 

このモヤる気持ちはどこからくるのか、ちょっと整理してみよう。

 

 

今回の上司のアドバイスがしっくりこなくても大丈夫

「自分の家族にしてほしいと思うケアをしなさい」というアドバイスを聞くことがあるけど、相談者さんのように家族関係って人によってそれぞれだと思う。

 

人によってはこのアドバイスがわかりやすいと感じる人もいるよね、きっと。

だから上司はこの表現を使ったんだと思うけど、その逆に感じることも全然ありえると思う。

実際、私もそうだし。

 

だから、上司にそういうふうに言われても、腑に落ちない人がいてもおかしくないよね。

 

そうだね。

「こんなことを思ってしまうのは、看護師としていけないことでしょうか?」って相談者さんは言っているけど、そんなことはないと僕は思うよ。

 

上司が相談者さんに伝えたかったのは「ケアが雑にならないように気を付けてほしい」ってことだったんじゃないかな。

 

「雑にならない」ためにどうすればいいかを私とかげさんからアドバイスしてみるね。

 

 

「忙しさ」への対処法を考える

忙しいときの対処法の一つとして、「これはしっかりやろう」「これは後でやろう」と業務の優先順位を決めるのはどうかな?

 

たとえば、患者さんのケアはしっかりやって、カートの片付けは一段落したらまとめて、みたいに。

 

忙しいときほど、あれもこれも丁寧にしようとするのは難しくなるから、業務の重要度に合わせて動きに緩急をつけてもいいかもしれないね。

 

そうだね。

それから、忙しいときはメンバーに声をかけてヘルプを出すといいかも。

 

仕事が忙しいと、つい雑になってしまうこともあると思うんだ。

 

そこへメンバーにヘルプに入ってもらうことで、丁寧なケアをする余裕ができたりするよ。

 

もし自分ではどうにもならないくらい業務がパツパツなら本来、上司に相談していいことだから、その時は安心して相談してね。

 

患者さんのケアをしっかりできる余裕を作るために、よかったらこれらの方法を試してみてね。

 

忙しい日も多いと思うけど、看護はチームだから、一人で抱え込まないでメンバーや上司と相談しながら業務を回せるといいね。

 

応援しています!

 

今週のピカッと


☆上司が「自分の家族にしてほしいと思うケアをしなさい」と言った意図を捉えよう

 

☆しっかりケアする余裕を作るために、忙しいときはメンバーにヘルプを出したり、業務の優先順位を決めたり、上司に業務量の調整を相談するなど、「忙しさ」への対処法を考えてみよう

 

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プロフィール

看護師のかげ(@877_727)

医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。

 

 

書籍紹介

 

『ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖〜かげ看〜』

かげ 著、永岡書店

看護師かげさん著「ほんとは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖~かげ看~」の写影

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10年以上病院で働いてきて、現在はいろんな場所で働いている看護師兼ライター。

最近は、後輩に飴ちゃんあげるおかん系看護師になりつつある。

 

 

書籍紹介

 

『Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~私もエールをもらった10人のストーリー』

白石弓夏 著、メディカ出版

白石弓夏著『Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~私もエールをもらった10人のストーリー』の写影

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イラスト/かげ

編集/木村さちこ(看護roo!編集部)

 

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