夜勤月8回以上が3割!あなたの病院は大丈夫?―夜勤・交代制勤務実態調査

「夜勤・交代制勤務ガイドライン」普及等実態調査まとめ

日本看護協会が行った「夜勤・交代制勤務ガイドライン」普及等実態調査によると、まだまだ看護師の労働環境は厳しい状況が続いているようです。

 

看護職の勤務体制改善を目指して、日本看護協会が2013年3月に公表したのが「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」です。

今回の調査は3456病院に対して、ガイドラインの基準をどの程度守っているかを調べたものです。調査病院のうち3交代制は1013病院、2交代制は約2倍の2229病院となっています。

 

【Index】

 

 

※調査概要:日本看護協会『「夜勤・交代制勤務ガイドライン」普及等実態調査』(プレスリリース)

「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」概要

 

夜勤の連続回数 2連続までが8割

2交代でも3交代でも守られていた基準は「夜勤の連続回数は2連続(2回)までとする」、「連続勤務日数は5日以内とする」「夜勤、交代勤務者の早出の始業時間は7時より前を避ける」「休憩時間は夜勤の途中で1時間を確保する」などで、どの基準も7~8割の病院が守っていました。【図1】

 

【図1】交代制勤務でのガイドライン実施状況(2交代、3交代合算)

勤務編成の基準の実施状況|夜勤・交代制勤務実態調査|看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

 

一方で、2交代制と3交代制で大きく回答内容が違ってくる基準もあります。【図2】【図3】

例えば、「勤務と勤務の間隔は11時間以上あける」は、2交代では8割以上が守っているのに対して3交代では3割程度。

3交代では約7割が11時間未満の勤務間隔ということで、日勤から深夜勤へといった負担の大きいシフトなどの問題がでていることがわかります。

 

【図2】2交代制勤務でのガイドライン実施状況

勤務形態別に見た勤務編成の基準の実施状況(2交代)|夜勤・交代制勤務実態調査|看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

 

【図3】3交代勤務でのガイドライン実施状況

勤務形態別に見た勤務編成の基準の実施状況(3交代)|夜勤・交代制勤務実態調査|看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

 

連続夜勤→48時間の休みは3交代ではたった2割

同じグラフを見てみましょう。【図2】【図3】

2回連続夜勤後にはおおむね48時間以上の休息を確保する」は、2交代でも3交代でも実施率は低く、2交代では半数程度、3交代では2割の病院が守っているに過ぎません。

看護師にとって夜勤の疲れを取るための十分な休息時間は、不足していることが明らかです。

 

3交代制の病院に対する質問、「夜勤回数は3交代制勤務は月8回以内を基本とする」では、実施しているのは65%。

つまり3割以上の病院では月8回以上の夜勤が行われているということで、看護師の過酷な勤務実態が浮き上がります。

 

2交代制 1割が拘束時間の改善を検討

ちなみに日看協では長時間勤務が引き起こす様々なリスクについて警鐘を鳴らしていますが、調査結果によると、「勤務の拘束時間は13時間以内とする」は3交代でも66%の実施率。

2交代ではわずか13%の病院しか守っておらず、長期労働が日常となっています。

 

一方で、2交代の病院でも11%が取り組みに向けて検討中と回答しており、改善に向けた動きも見られるようです。

 

 

調査結果はどうでしたでしょうか。自分が働く病院と比べて、「わたしって恵まれてるのね」と感じたか、「やっぱりうちの病院はひどい」と思ったか、感想はそれぞれだと思います。いずれにしても、看護師の労働環境を改善することは、イコール、患者さんの医療安全につながることはまちがいありません。

 


※調査概要:日本看護協会『「夜勤・交代制勤務ガイドライン」普及等実態調査』

 

※「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン

(勤務編成の基準11 項目)

基準1 勤務間隔

勤務と勤務の間は11 時間以上あける。

基準2 勤務の拘束時間

勤務の拘束時間は13 時間以内とする。

基準3 夜勤回数

夜勤回数は3交代制勤務は月8回以内を基本とし、それ以外の交代制勤務は労働時間などに応じた回数とする。

基準4 夜勤の連続回数

夜勤の連続回数は2連続(2回)までとする。

基準5 連続勤務日数

連続勤務日数は5日以内とする。

基準6 休憩時間

休憩時間は夜勤の途中で1時間以上、日勤時は労働時間の長さと労働負荷に応じた時間数を確保する。

基準7 夜勤時の仮眠

夜勤の途中で連続した仮眠時間を設定する。

基準8 夜勤後の休息(休日を含む)

夜勤後の休息について、2回連続夜勤後にはおおむね48 時間以上を確保する。1回の夜勤後についてもおおむね24 時間以上を確保することが望ましい。

基準9 週末の連続休日

少なくとも1カ月に1回は土曜・日曜ともに前後に夜勤のない休日をつくる。

基準10 交代の方向

交代の方向は正循環の交代周期とする。

基準11 早出の始業時刻

夜勤・交代制勤務者の早出の始業時刻は7時より前を避ける。

※ 調査では、基準3 は3 交代制勤務の月8 回以内のみ、基準6 は夜勤の途中で1時間以上の休憩時間のみを質問した。基準8 は、2 回連続夜勤後の48 時間以上の休息、1 回の夜勤後の24時間以上の休息に分けて質問した。

 

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コメント

コメント一覧 (123)

123
2022/04/07 16:47

私達は働くために休んでるんじゃないの。休日にリフレッシュするために頑張って働いてるの。深夜入りと準夜明けに休み使われたら、リフレッシュできる休日なんて一個もなくなるわ。

122
2020/11/05 11:31

理想論であって現場はこんな状況ではない!

121
2020/05/29 13:50

夜勤2回連続の後に1日休んで夜勤2回連続で1日休んでが続くんだけど、結構辛いのにガイドラインの中には当てはまってるんだね…。
そうしないと病院が成り立たないのは分かるけどしんどすぎる。

120
2019/01/24 05:02

看護師と看護助手2人で夜勤、急変があったらノンストップ
休憩なし!介助で動く人と終末期の人が混在してると対応しきれない。有休も勝手に入れられ年3日しか消化出来ず。働き方改革の最低ラインが低すぎる。

119
2015/10/15 17:37

看護師もそうだけど、看護助手は
さらにひどい条件。
仮眠取れないのが当たり前になっている。

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