がんの「10年生存率」ってどのくらい?部位別では?|看護roo!ニュース

がん患者さんの生存率調査/10年生存率:57.2%(前回から0.8ポイント上昇)、5年生存率:68.4%(前回から0.5ポイント上昇)

全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について(国立がん研究センター)を基に看護roo!編集部で作成

 

国立がん研究センターが、全国がんセンター協議会の協力を得て行った「がんの生存率」の調査データを公表しました。

 

がん全体でみると、10年生存率も5年生存率も上昇しています。

 

 

がん患者の「10年生存率」は57.2%

国立がん研究センターによると、2003年~2006年にがんと診断された約8万人の患者さんの「10年生存率」は57.2%でした。

 

前回の調査(2002年~2005年に診断された患者が対象)から0.8ポイント上昇しています。

 

がんの部位別 10年生存率/【前立腺】Ⅰ:100.0、Ⅱ:100.0、Ⅲ:96.7、Ⅳ:43.3、全例:97.8/【乳房(女性)】Ⅰ:97.6、Ⅱ:87.4、Ⅲ:61.9、Ⅳ:18.3、全例:85.9/【甲状腺】Ⅰ:99.2、Ⅱ:100.0、Ⅲ:94.7、Ⅳ:53.8、全例:84.1/【子宮体】Ⅰ:92.4、Ⅱ:87.0、Ⅲ:58.8、Ⅳ:12.1、全例:81.2/【結腸】Ⅰ:95.7、Ⅱ:81.9、Ⅲ:78.1、Ⅳ:12.5、全例:69.3/【子宮頸】Ⅰ:88.6、Ⅱ:67.6、Ⅲ:47.7、Ⅳ:18.3、全例:68.8/【直腸】Ⅰ:89.2、Ⅱ:79.5、Ⅲ:7.5、Ⅳ:13.1、全例:65.8/【胃】Ⅰ:90.7、Ⅱ:54.9、Ⅲ:35.5、Ⅳ:4.4、全例:65.3/【腎臓など】Ⅰ:90.9、Ⅱ:68.7、Ⅲ:52.4、Ⅳ:13.1、全例:64.0/【膀胱】Ⅰ:75.4、Ⅱ:67.4、Ⅲ:44.4、Ⅳ:13.1、全例:62.6/【喉頭】Ⅰ:84.2、Ⅱ:59.2、Ⅲ:51.4、Ⅳ:35.3、全例:61.9/【卵巣】Ⅰ:83.3、Ⅱ:55.1、Ⅲ:23.3、Ⅳ:10.5、全例:45.3/【食道】Ⅰ:68.3、Ⅱ:33.7、Ⅲ:21.3、Ⅳ:7.1、全例:30.9/【肺】Ⅰ:64.8、Ⅱ:28.4、Ⅲ:12.0、Ⅳ:1.7、全例:30.9/【胆嚢胆道】Ⅰ:45.0、Ⅱ:18.5、Ⅲ:11.8、Ⅳ:2.1、全例:18.0/【肝臓】Ⅰ:27.3、Ⅱ:17.5、Ⅲ:6.7、Ⅳ:2.4、全例:15.6/【膵臓】Ⅰ:31.7、Ⅱ:8.5、Ⅲ:3.0、Ⅳ:0.8、全例:5.3/

全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について(国立がん研究センター)を基に看護roo!編集部で作成

 

部位別の生存率をみると、「前立腺」(97.8%)が最も高く、次いで「乳房(女性)」(85.9%)「甲状腺」(84.1%)などが続きました。

 

一方、「膵臓」(5.3%)「肝臓」(15.6%)「胆嚢胆道」(18.0%)は生存率が2割以下にとどまり、部位によってかなりの開きがみられます。

 

 

がん患者の「5年生存率」は68.4%

2009年から2011年にがんと診断された約14万人の患者さんの「5年生存率」は68.4%でした。

 

前回の調査(2008年~2010年に診断された患者が対象)から0.5ポイント上昇しています。

 

がんの部位別 5年生存率/【前立腺】Ⅰ:100.0、Ⅱ:100.0、Ⅲ:100.0、Ⅳ:66.9、全例:100.0/【乳房(女性)】Ⅰ:100.0、Ⅱ:96.1、Ⅲ:80.0、Ⅳ:40.0、全例:93.7/【甲状腺】Ⅰ:100.0、Ⅱ:97.8、Ⅲ:100.0、Ⅳ:72.6、全例:92.4/【子宮体】Ⅰ:96.1、Ⅱ:88.7、Ⅲ:66.2、Ⅳ:24.2、全例:86.4/【喉頭】Ⅰ:96.8、Ⅱ:91.2、Ⅲ:75.0、Ⅳ:45.7、全例:79.5/【直腸】Ⅰ:97.8、Ⅱ:88.9、Ⅲ:82.3、Ⅳ:28.1、全例:78.7/【子宮頸】Ⅰ:93.2、Ⅱ:82.2、Ⅲ:66.1、Ⅳ:28.3、全例:76.8/【結腸】Ⅰ:99.6、Ⅱ:91.4、Ⅲ:85.0、Ⅳ:20.2、全例:75.4/【胃】Ⅰ:97.2、Ⅱ:62.8、Ⅲ:49.0、Ⅳ:7.1、全例:74.9/【腎臓など】Ⅰ:95.8、Ⅱ:76.8、Ⅲ:72.1、Ⅳ:15.3、全例:69.4/【膀胱】Ⅰ:87.7、Ⅱ:67.7、Ⅲ:50.6、Ⅳ:24.0、全例:69.0/【卵巣】Ⅰ:94.1、Ⅱ:75.1、Ⅲ:50.1、Ⅳ:32.9、全例:66.2/【食道】Ⅰ:88.5、Ⅱ:56.7、Ⅲ:29.6、Ⅳ:14.2、全例:46.0/【肺】Ⅰ:83.3、Ⅱ:48.8、Ⅲ:22.7、Ⅳ:5.8、全例:45.2/【肝臓】Ⅰ:62.3、Ⅱ:37.3、Ⅲ:14.8、Ⅳ:0.9、全例:37.0/【胆嚢胆道】Ⅰ:57.4、Ⅱ:25.7、Ⅲ:14.6、Ⅳ:2.3、全例:28.6/【膵臓】Ⅰ:42.9、Ⅱ:16.8、Ⅲ:7.4、Ⅳ:1.5、全例:9.9

全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について(国立がん研究センター)を基に看護roo!編集部で作成

 

部位別の生存率は、「前立腺」(100.0%)が最も高く、「乳房(女性)」(93.7%)「甲状腺」(92.4%)などが高い結果でした。

 

一方、「膵臓」(9.9%)「胆嚢胆道」(28.6%)「肝臓」(37.0%)では4割を下回っています。

 

***

 

国立がん研究センターは、多くの部位で10年生存率も5年生存率も上昇してはいるものの、「臨床的に意味のある変化は認められない」としています。

 

生存率は個々の患者さんに必ずしも当てはまるものではありませんが、治療の目安となるものですので、その動向は把握しておいた方がよいでしょう。

 

看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

 

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(参考)

全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について(国立がん研究センター)

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