シンガポールの看護現場から【1】シンガポールの病院の日常

シンガポールで働く日本人ナース“やぁぎぃ”が、海外生活や現地の病院の様子をレポート!!

日本で働いていたナースが、海外の病院で見た日本との違いとは!?


「なんでシンガポール?」

と思うかもしれませんが、それはまた別の機会にお話しするとして、

1回目となる今回は、私、やぁぎぃが驚いた、シンガポールのお見舞い事情について紹介します。

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2年経った今でもビックリ! 病室内の人口密度

シンガポールで准看護師として働きだして2年が経ちました。

いまだに慣れないというか、ビックリしてしまうのが見舞客の多さ

ほんとに多いなぁと感じた日があったので、

あらためて観察してみました。

 

病室にはマレー系2人、インド系2人、中国系2人の6人の患者さん。

そしてその患者さんを取り囲むのは、すんごい数の人たち。

見舞客が全部で何人いるのか数えてみよう!

 

2、4、6、8……、全部で38人

病室内の人間の数は、患者さんと職員を合わせると、なんと41人!

あらためて数えてみると、ほんとに多い!

 

病室の広さは日本とあまり変わりませんが、これだけ人数がいるとすごく狭く感じてしまいます。

 

 

見舞客も当然多国籍。お国柄も垣間見られます!

患者さん① マレー系のお婆ちゃん(見舞客4人)

患者さんのお婆ちゃんを取り囲んでいるのは家族が4人。カラフルで美しいマレー系の衣装を着たお婆ちゃんとおばちゃんたちです。お化粧もバッチリで、とっても可愛いです。

 

患者さん② マレー系のおばちゃん(見舞客3人)

見舞客は若いお姉さんたちが3人。彼女らの世代からは、マレー系衣装を着るのはやめたみたいで、普通の格好をしています。ちょっと残念。でも、みんなおしゃれさんです。

 

患者さん③ インド系のお婆ちゃん(見舞客4人)

お婆ちゃんのお子さんたちとおぼしき4人の男女。インド系とマレー系が混ざった顔をしています。マレー系の衣装を着た人と、普通の格好の人がいるのでとっても不思議です。どちらにしろ、この人たちもおしゃれさんで、美しいんですよ。

 

患者さん④ 中国系のお婆ちゃん(見舞客13人)

彼女の周りには4組のおばちゃん、おじちゃんたち総勢8人。さらにその子供たちが5人。

彼女(患者さん)には4人子供がいるんでしょう、それぞれがその夫、または妻を連れてきて、さらには孫も連れてきた感じです。正月、実家に親戚一同集まる代わりに、病院に集まってしまったような風景です。もちろんこの時は正月じゃありません。

 

ほかの2人、中国系の患者さんには8人の見舞客、インド系の患者さんには6人の見舞客がいて、それはもう病室はすごい熱気(?)に包まれていました。

患者さんも見舞客も、服装も言葉もバラバラで、多民族国家のシンガポールらしい風景を病室でも見ることができます。

 

 

面会時間は基本的に"無視"

20時。面会時間終了を告げる放送が、英語、中国語、マレーシア語、タミール語で入ります。

 

『皆様、面会時間は終了です。患者さんを休ませてあげるために、また明日の面会時間、12時から14時、17時から20時の間に来てください。

Thank you、謝謝、Terima kasih、நன்றி』

 

だーれも聞いていません。

しまいにはその放送を聞きながら新たに見舞客が現れちゃいます。

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20時半位に部屋の電気を消して、

「面会時間は30分前に終わってますよー」と言って周り、やっと徐々に人が減ります。その後も、2度目、3度目の警告(?)

「もう患者さんも寝る時間ですよー! はーい、帰って帰って!!」

21時になり私の勤務が終わりなので、私も帰ります。

 

“はーっ、今日もなかなか帰らなかったよ。何で皆、病室で集合するのかな? 何時間もいるし、毎日来るから私と家族で『おーまたお前か!』とかなっちゃうし。はぁ~~”

と思いながら、バス停に向かう。

 

すると、これから面会に向かう30人程とすれ違う……。

 

そんな、日本の病院ではあり得ないことが、シンガポールの病院では日常なんです。

 

【次の記事】第2回:多宗教国家ならではの病院食

 


■プロフィール

名前:やぁぎぃ

経歴:東京都出身。日本で胸部外科外科・眼科などで看護師をしたのち、イギリスで看護師→シンガポールで准看護師に。ほかにもいろいろな国へ短期の渡航を経験し、4カ国の看護系免許を保有。

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