2012年度「ナースオブザイヤー」受賞者発表!

「患者さんが元気でいるためには、看護師さんが元気じゃなくちゃ!」という思いのもと、市民のために活躍する看護師を表彰するイベントがあります。

その名も「ナースオブザイヤー」。(公式サイトはこちら

 

ステキナース研究所でもご紹介した、岩本ゆりさんが副理事を務めるNPO法人「楽患ねっと」が主催するこのイベントは、今年で3回目を迎えます。

「自分の目指す看護を実現するべく精力的に活動している」看護師として、7人がノミネートされました。

ノミネートされた7名のご紹介はこちら

 

この7名の中から、一般投票により2つの賞の受賞者が決定しました。「市民が看護に求めていることを実践している」方に贈られる「ナースオブザイヤー賞」と「新たな可能性を感じさせる」方に贈られる「インディペンデントナース賞」です。

 

さて、栄えある「ナースオブザイヤー賞」「インディペンデントナース賞」に輝いたナースは…?!

 

 

 

『ナースオブザイヤー賞 受賞者』
鳴海 幸さん “自らの生活拠点を移し、被災地に寄り添う形で復興支援に従事”

キャンナス仙台中央/訪問看護ステーションもりのとびら

看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 |ナースオブザイヤー2012|鳴海 幸さん

 

受賞の対象となった活動内容

東日本大震災の直後から5ヶ月にわたる、避難所での住み込み支援活動。

掃除用具も満足に無い中、汚物があふれるトイレを素手で掃除するなど、避難所の悲惨な状況を改善すべく支援活動を行う。また、看護・介護など職種の枠にとらわれず、集まったボランティア全員が被災地支援を行えることを目指し、すべてのボランティアを統率する役割も担った。

 

投票コメント

『日本赤十字や自衛隊でさえ【ここにいたら病気になる】といっていた石巻市湊中学に住み込みながら、住民に寄り添い続けた』
『彼女の冷静さ、判断力、統率力、中立性…彼女がいなければ、あの危機的状況を乗り越え多くの医療職をまとめることは不可能でした』
『東日本大震災直後から、自分の判断で行動し長期間自分の生活を犠牲にし活動した姿は、患者、利用者、地域住民だけでなく同じ医療者をも勇気づけた。その行動と精神は日本一の看護師に値する』

 

受賞の言葉

石巻に生活拠点を移し、被災地支援を行った期間は5か月間。

働いていた職場や家族を仙台に残して被災地支援活動を行うには決心が必要でした。また、避難所で暮らす方々に医療行為を必要とする人は少なかったので、本当に今「看護の手」が被災地に必要なのかという声があったのも事実です。

 

けれど私は被災者の方々と共に暮らす中で、医療行為の必要不必要に関わらず、避難所には看護職・介護職が必要だという思いを強くしました。

被災者の方にとって、看護師・介護士といった職種の人間が傍にいること自体が、とても大きな安心に繋がるのです。皆さんと同じ場所で寝起きしながら支援活動を行ったおかげで、今の被災地には共に寄り添うことこそが必要とされているのだと、肌で感じることができました。

今回賞をいただいたこの経験を生かし、これからも地域に密着した貢献活動の大切さを人々に広めていきたいと思っています。

 

略歴

札幌の病院にて勤務後、11年ほど自衛隊で勤務。2006年から2012年まで障がい者の地域生活サポートセンターにて相談事業、レスパイト事業に従事した。

石巻での活動を終え、2013年現在は拠点を仙台に戻している。ボランティア団体キャンナス仙台中央代表を務めながら、ボランティア活動を継続中。

 

 

 

『インディペンデントナース賞 受賞者』
末永 美紀子さん “すべての子どもが健やかに育つ保育を提供”

特定非営利活動法人こどもコミュニティケア 代表理事

看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 |ナースオブザイヤー2012|末永 美紀子さん

 

受賞の対象となった活動内容

医療的ケアが必要な子や、障害のある子も積極的に受け入れる保育施設を運営。

通常保育の他にも、1日保育や時短保育を取り入れるなど、母子の状況に合わせた保育スタイルを提供している点も特徴。「すべての子どもが分け隔てなく、共に育っていく社会」を実現する場所を、医療の観点から生み出した。

 

投票コメント

『健康な人も、病や障がいを持つひとも全てのひとが『看護の対象』ということを、施設を飛び出して実践しているから』
『不平不満を言わずに、作ったらいい、やったらいいという末永さんの行動力に感動しました』
『病児保育が制度化されていない中で、必要な人の為に活躍している姿が頼もしい』

 

受賞の言葉

今回は、このような栄えある賞を受賞させていただきありがとうございます。

私の活動は、周りの方々の協力なくしては成り立たないものです。そのため今回の賞は、協力してくださっている皆さん全員でいただいた賞だと思っています。

 

私が「ちっちゃな保育所」を開いたきっかけは、病院看護師時代に出産を理由に辞めていくナースや女医さんを見ていたことです。

「本当は働きたいのに、働いていると子どもの面倒が見れないからやめる」というのはもったいない…そう思って、長時間保育も受け入れ可能な保育施設を作りました。

 

その想いは今も変わっていません。私が運営している保育施設の方針は「何らかの理由で長時間の保育を必要とするお子さんに、家庭的な環境を提供する」「仕事を続ける医療や福祉の専門家、それだけではなく社会を支えている育児世代の皆さんを支える」というものです。

この方針に沿った子どもであれば、誰でも受け入れるようにしています。

 

障害や疾患の有無など関係なく、同じ場所で多くの子ども達が一緒に育っていく。そんな環境が社会のあるべき姿だと思い、これまで活動を続けてきました。

 これからは保育園の運営だけに留まらず、より多くの親子を支える社会を作るために何が出来るかを探していきたいです。

 

略歴

大学付属病院、こども病院の病棟勤務を経て、出産のため退職。その後、2004年に自宅で認可外保育施設「ちっちゃな保育所」を開設。現在「ちっちゃな保育所」を拡大移転させた「ちっちゃな保育園にじいろ」を運営する他、NPO法人こどもコミュニティケア代表理事も務めている。

 

 


表彰されたお二人の他にも、ノミネート者には「点滴時のインシデントを防ぐために、点滴用衣類を自ら企画・開発したナース」など、様々な領域で活動している方々が名を連ねています。

ノミネートされた誰もが、自分の目指す看護に向かって精力的に活動するナースばかり。これからの看護について目を輝かせながら語る姿からは、こちらまで勇気付けられるようなパワーが伝わってきました。

 看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 |ナースオブザイヤー2012|集合写真

 左から:末永美紀子さん、鳴海幸さん、ノミネート者の安田みゆきさん

 

今回のように、頑張っているナースにスポットライトがあたる機会は大事にしていきたいもの。ステキナース研究所では、頑張るナースのみなさんをこれからも応援していきます。

ノミネート者ならびに受賞者のお二人、本当におめでとうございました!

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