看護師が知っておくべきマイナンバーの基礎
2015年10月より、ついに導入されたマイナンバー制度。看護師さんたちの日常生活や働き方はもちろん、仕事上でも関わる大切な制度ですが、まだまだわからないことが多い人もいるのではないでしょうか。
個人カードって登録しないといけないの?
患者さんにマイナンバーについて聞かれたらどうしよう?
そんな疑問を解決すべく、マイナンバーのポイントをまとめました。
【2】マイナンバーでどうする? 看護師の【副業】【DV被害】
【目次】
4.まとめ
1. マイナンバーって何?
マイナンバーは、国民ひとりひとりを識別する番号
マイナンバーとは、国民ひとりにひとつずつ与えられる12ケタの番号のこと。別名を「社会保障・税番号」と言います。役所での手続きに必要な書類を減らして効率化したり、税金を取りこぼしなく公平に集め、本当に困っている人が社会福祉制度を使いやすくするなどの目的があります。
具体的には年金や健康保険などの「社会保障」、所得税や相続税などの「税」、そして「災害対策」の3つの場面で使用されます。
※マイナンバー制度について、詳しくは→政府広報オンライン
マイナンバーによってすぐ影響が出ることは案外少ない
マイナンバーが導入されても、普通に働いている看護師さんに直接影響があることは少ないです。自分で役所の窓口に行く際などにマイナンバーが必要なこともありますが、一度勤め先や使っている証券会社、保険会社などに教えればあとは先方で手続きをしてくれるので、普段は「マイナンバーが関わっている」と意識しない場面のほうが多いかもしれませんね。
マイナンバーの運用については、現時点でまだ決まっていないことも多く、事務手続きがどう変わるのか、まだどの場面で使うかも含め、これから順次決められることになっています。
マイナンバーが届いたら勤め先に報告すればOK
病院やクリニックなどに勤めている看護師の方は、これからマイナンバーの通知カードが届いたら、ひとまずは勤め先に申告すればOK。すでに勤め先から「マイナンバーが届いたらお知らせください」と回収の予告を受けている人もいるでしょう。
勤め先では回収した従業員のマイナンバーを、税務署や年金事務所などに提出する必要がある書類に記載します。
個人番号カードの登録は必須ではない
今から11月末までにかけて、手元に郵送されてくるのはマイナンバーの「通知カード」です。より便利に使うためには、免許証のような身分証明書の役割がある顔写真つきの「個人番号カード」の登録が必要です。
とはいえ「個人番号カード」の登録は必ずしなくてはいけないというわけではありません。税金や社会保障関係の手続きには番号さえわかればいいので、通知カードが手元にあれば十分です。
※個人カードの登録手続きについて、詳しくは→個人番号カード総合サイト
2. 看護師の業務上、マイナンバーが関わる場面とは?
病院や介護施設などでマイナンバーがかかわる場面といえば、健康保険や生活保護などの事務手続きです。基本的には看護師さんの業務と直接関係ありませんが、不安に思っている患者さんも多いはず。今後、順次必要な場面や具体的な手続きが決まっていくので、最低限の情報にはキャッチアップしていくのがよいでしょう。
長期入院中の患者さんの通知カードは病院に届くことも
看護師さんの仕事で最初にマイナンバーが関わる場面は、長期入院している患者さん宛てのマイナンバー通知カードの受け取り・配布が考えられます。
病院内にはひとり暮らしで長期入院しており、普段の郵便物も病院に届く、という患者さんもいます。そういった患者さんの場合、事前に市区町村の役所に手続きがしてあると、マイナンバーの通知カードが病院に届けられます。どのように対応するか、病院内での取り決めを確認しましょう。
看護師の業務にまつわる検討中の事項
医療に関して、マイナンバーの使用が検討されているものには以下のようなものがあります。あくまでも「検討」段階ではありますが、手続きが簡単になるなど実現すればメリットは大きそうです。
【病院が事務処理をするとき】
【病院や役所で、患者さんが手続きをするとき】
- 行政手続きに診断書が必要な場合、マイナンバーを使って診断データを共有することで省略する
- 病気や怪我で会社を休んだときにもらえる傷病手当金や、仕事を辞めてから国民健康保険に切り替える際の手続きなどを、マイナンバーを使って簡略化する
- 保険証にICチップを搭載して情報をまとめ、様々な場面での手続きを簡単に
【役所などが検診、予防接種などのお知らせをするとき】
- マイナンバーを使って検診や予防接種履歴、乳幼児健診履歴などを行政側で確認し、漏れを減らす
以上のように、患者さんの手続き面でも、病院や役所内での事務処理面でも、マイナンバーを使って便利にできることはたくさんありそうです。とくに小さなクリニックなどに勤めていて事務手続きなども行うことがある人は、患者さんに聞かれても困らないように今後の情報をしっかりチェックしておきましょう。
3. マイナンバーで気をつけるべきこと
詐欺やなりすましの可能性があるので、番号の保管は厳重に
マイナンバーの個人カードが免許証やパスポートと同じレベルの身分証明書になることからもわかる通り、マイナンバーは重要な個人情報です。
マイナンバーカードを他人に盗まれると、たとえば身分証明書として使われ、成りすまして多額の借金をされたりするかもしれません。また、現在、詐欺グループはマイナンバーを利用して様々な手口の詐欺を働こうとしているといわれています。
そういった被害に遭わないためにも、番号は軽々しく人に教えたりせず、カード自体もしっかりと保管しましょう。
マイナンバーカードの紛失にも注意
通知カード、個人カードのどちらであっても、くれぐれも紛失には注意しましょう。上記のような犯罪に巻き込まれる可能性もあり、とても危険です。
もし万が一カードを亡くしてしまった場合は、速やかに役所に連絡しましょう。また、詐欺などの被害に遭った場合には、新しい番号の再発行できる仕組みが検討されています。
マイナンバーの最新情報のチェックも欠かさずに
マイナンバーはさまざまなところで便利に使用される可能性があり、使用範囲の拡大がどんどん検討されている制度です。
たとえば現在、水道、電気、ガスといったライフライン関係をマイナンバーと紐付けることによって、引越しの際に住民票を移動させれば一緒にライフラインの契約も移動する、といった提案がされています。また、銀行やクレジットカードの使用記録と紐付ける、といった案もあります。
これからどのようなことに使われるのか、不都合になるような使われ方をしないか、しっかりと注目しておきましょう。
4. まとめ
マイナンバー制度は、様々な場面で便利に使われようとしている制度です。いろいろな場面で顔を出しますが、面倒な人はとりあえず通知カードが届いたら、書かれている番号を職場に届け出ればOK。あとは適宜、必要なときに対応しましょう。
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