口永良部島の医療支援状況―赤十字社の対応と地元保健師・医師による心のケア
【ナース知っ得ニュース 2015/6/3】
鹿児島県南部の火山島「口永良部島(くちのえらぶじま)」の噴火で、屋久島へ避難を余儀なくされた島民のもとに医療支援が入っています。日本赤十字社の医師や看護師ら6名が一夜明けた30日の朝から現地入りし、島民ケアに当たりました。
また、避難生活での精神的ケアも重要視されています。
専門家“避難生活の長期化も”口永良部島(日テレNEWS24)
出典:Wikipedia Photo by Si-take.
大噴火と地震で島の全島民が屋久島へ避難 赤十字社の対応
爆発と同じ規模の大噴火を起こした29日には、一日で198回もの火山性地震が起きるなど、さらに島民をおびやかしたため、全島民137名が近くの屋久島へ避難しました。
噴火は30日から止まっており、6月1日には島民が一時帰島を果たしましたが、火山活動は引き続き活発化しているため、まだまだ厳重に警戒が必要な状態です。
日本赤十字社は、鹿児島県支部に災害警戒本部を設置し、29日13時には鹿児島県支部救護班(鹿児島赤十字病院)1個班と支部連絡調整員1名が、毛布100枚、タオルケット100枚、緊急セット60セットの救援物資を持参して、屋久島へと出発しました。
鹿児島県支部救護班(鹿児島赤十字病院)1個班の構成は、医師1名、看護師長1名、看護師2名、主事2名でした。
屋久島での救護活動
日本赤十字社の同班が屋久島の宮之浦港に29日の18時頃に到着した後は、島民の避難所となっている、宮之浦公民館、屋久島町福祉センター、宮之浦老人憩いの家へ救援物資を搬送し、災害対策本部へ向かいました。
また、翌30日の朝9時には、避難所の屋久島町福祉センターに、避難している島民からの相談に対応する健康相談窓口を設置しました。
被災者の心のケアに焦点―保健師・医師の活動
屋久島内でも、避難生活の長期が見通されることから、避難者の心のケアのために保健師が派遣されました。屋久島町の保健師4名と県の保健師が3カ所の避難所を回り、被災者の健康状態のチェック等を行っています。
また、島唯一の医師である久保利夫さん(78)も、自らも避難生活を送りながら避難所を回り、被災者の話を聞いています。
(参考)
鹿児島県口永良部島の噴火災害に対する日本赤十字社の対応について(第3報)
健康不安、住居確保進める=避難生活の長期化必至-屋久島町(時事ドットコム)
寄り添う島唯一の医師 78歳、自らも避難生活 口永良部噴火(apital)
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