がん指定拠点病院以外でもとれる。国立がん研究センターが「がん専門相談員」認定スタート

国立がん研究センターでは、今年度から新たに「認定がん専門相談員」の認定をスタートします。

看護師や社会福祉士などの有資格者を主な対象としたもので、これまではがんの指定拠点病院のみが対象だった受講対象者を、それ以外の施設に拡大したうえで、がんセンター独自の認定制度を作ったものです。

 

 

国立がん研究センターが「がん専門相談員」認定スタート

がん専門相談員とは

がん専門相談員とは、全国のがん支援センターやがん治療を行っている病院に配置されている相談員のことです。医師や看護師から相談を受けても、患者がまだ不安を抱えていたり、十分に理解できていない時、相談員は時間をかけて患者の声に耳を傾けます。

 

そして相談内容によって、

 

  • ・主治医から再度、説明を受ける機会を作る
  • ・専門外来の受診を勧める
  • ・セカンドオピニオンの受診を勧める

 

など、それぞれの患者さんに適した対応を取っていきます。

 

がん治療のニーズが高まり、受講者が急増

国立がん研究センターでは、従来から拠点病院の相談員を対象に、がん専門相談員の研修を行ってきました。この研修が、今年度からがんの拠点病院以外の人でも受講できるようになったうえで、受講者に対して「がん専門相談員」の認定を行うようになりました。

 

  • ・がん治療へのニーズが高まる中で、専門相談員の受講者が増えていること
  • ・同じくがん治療のニーズが高まる中、相談員の質の担保がこれまで以上に求められること

 

上記が、認定をスタートする主な理由です。

 

看護師や社会福祉士などが主な対象-認定要件、研修、費用、更新

●認定を受けるための主な要件

  • ■医療・福祉の資格保持者(看護師、社会福祉士等の国家資格、臨床心理士等の認定資格)。ただし、非資格保持者の場合、有資格者による相談体制を整えていること
  • ■所属施設長の推薦
  • ■がん相談支援業務に従事していること
  • ■科学的根拠に基づいた情報提供によって、患者の生活支援や治療選択を支援していること

 

●研修内容

研修の内容は、Eラーニングと2日間の講義の受講によって基礎研修を受け、その後は専門相談を対象とした研修会に参加します(基礎研修が終了した年度内の認定申請なら合計1単位、翌年度以降の認定申請の場合は計6単位が必要)。

 

●費用

国指定のがん拠点病院に勤務する人の場合、認定取得までの費用はおよそ20,000円ですが、拠点病院以外に勤務する人の場合は、トータルで認定取得まで50,000円程度がかかるようです(新規受講の場合)。

 

●更新

認定は3年ごとに更新が必要です。

 

この認定は、あくまで国立がん研究センターが独自に認定を行うものです。現状では、がん診療連携拠点病院などの指定要件に含まれるものではないとのことです。

 

認定がん相談支援センターの認定もスタート

また、専門相談員の認定とあわせて、「認定がん相談支援センター」の認定事業もスタートします。

国立がん研究センターでは、がん相談センターを利用する患者に必要な情報を提供するために、認定が行われ次第、施設ごとの「認定がん専門相談員」の人数、「認定がん相談支援センター」の認定取得状況を公表する予定です。

 

国民の2人に1人は罹患するというがん。がん専門相談員の存在は、今後ますます需要が高まっていくことが予想されます。

 

(参考)

がん専門相談員によるがん相談支援(がん相談支援センター)について(国立がん研究センター)

SNSシェア

コメント

0/100

掲示板でいま話題

他の話題を見る

アンケート受付中

他の本音アンケートを見る

今日の看護クイズ

本日の問題

◆在宅・訪問看護の問題◆特別訪問看護指示書が月2回発行できる状況はどれでしょうか?

  1. 退院直後の訪問看護介入のとき
  2. 慢性疾患が急性増悪したとき
  3. 真皮を越える褥瘡が形成されたとき
  4. 難治性潰瘍が形成されたとき

1504人が挑戦!

解答してポイントをGET

ナースの給料明細

8972人の年収・手当公開中!

給料明細を検索