「日本准看護師協会」が設立? ますます混乱する准看護師制度
長年にわたって議論が続く准看護師問題が、ここへ来て大きく動いています。今年6月には自民党国会議員による「地域を支える看護職員養成促進議員連盟」が設立され、准看護師の養成促進が課題にあげられました。11月には全日本病院協会などで構成される四病院団体協議会が「日本准看護師協会(仮)」設立にむけて、合意をまとめました。
(参考) 廃止or継続?本当はどうなる、准看護師制度の行方(2014/9/4)
早ければ来春に設立も 四病協が合意
四病院団体協議会(四病協)は、日本医療法人協会、日本精神科病院協会(日精協)、日本病院会、全日本病院協会(全日病)―の4つの病院団体で構成される組織です。ここが、「日本准看護師協会」の設立を支援するという方針を決めました。
業界紙などの報道によれば、協会の設立は、日精協の呼びかけに対して、准看護師を多く抱える日本病院会や全日病が協力の意向を示したということです。四病協では全国で准看護師の支部組織を作り、早ければ、来春にも設立総会を開きたいとしています。
正看護師への要件緩和などが目的―看護協会は反対
日本准看護師協会を設立する目的としては、准看護師の資質向上や社会人准看護師への対応、准看護師から看護師になるための要件緩和―などとしています。
日本看護協会は、こうした准看護師養成に対しては、一貫して強い姿勢で反対しています。厚生労働省も看護師への資格一本化の方針を打ち出していますし、神奈川など一部の自治体では、すでに新規の准看養成をストップしています。
看護師の二極化進むか?
それにもかかわらず、今年に入ってから相次いで医系議員や病院団体が准看護師養成にむけて動きだしていることをみると、改めて問題の根深さが感じられます。
看護師については、特定行為や認定看護師などの専門化が進む一方で、絶対数の圧倒的な不足から来る根強い“准看護師必要論“がくすぶります。将来的なあり方として、看護師の二極化が進むのか、日看協が主張する看護師全体としてのスキルのボトムアップが優先されるのか―大きな変化の時を迎えているのかもしれません。
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